295日目:とあるパーティの内部事情。
神聖歴六一〇三年・
ふぁ~……今朝もふかふかベッドで心地よい目覚めです。おはようございます。
はぁ……でも、この快適な生活もこのままだとあと八日程度が限界ですね。
どこかで大きく稼がないと、安宿に泊まり続ける未来が待っています。
う~ん、やっぱり例の鍵のダンジョンを探索するしかありませんかね?
けど、ダンジョンを探索するなら準備にそれなりの金額が必要です……。
なのに、今の資金だとそれらを十分揃えられるかどうか……困りました。
なんて今日も金策に悩みつつ冒険者ギルドへ向かいます。
はぁ……冒険者になってもうすぐ一年ですけど将来が不安ですね。
貯金とかも始めるべきでしょうか? でも今はそれに回すお金もありません。
うぅ……安定した収入源が欲しいです……何かないでしょうか?
ギルドに着いたら、溜め息をつきながらクエストボードの前へ。
そうして昨日と同じように新規の依頼を中心に見ていきますが……。
やっぱりそう簡単に稼げるお仕事はありませんね……世知辛い世の中です。
そんな愚痴を漏らしていると、久しぶり今暇かな? と声をかけられます。
振り返ると、そこには小麦色の肌をした銀髪碧眼の見知った女性の姿が。
ルイナさんです! わぁ~、新年の宴会以来ですね! 元気でしたか?
そう尋ねると、う~ん、それなりかな? と微妙な笑顔が返ってきます。
……なんでしょう? いつもの彼女らしくないです……どうかしましたか?
その後、場所を酒場へ移し詳しく話を聞いてみることに……。
すると……ルイナさん、なんと所属していたパーティを抜けたそうです。
確かCランク冒険者が集まった弓専門のアルクというパーティでしたよね。
でも、どうして辞めたんです? 悪いパーティではなさそうだったのに……。
抜けた理由が分からず困惑していると、溜め息をつくルイナさん……。
そして、あまり聞きたくないドロドロしたパーティの内部事情を語り始めます。
……ふむ、どうやらパーティ内の痴情のもつれが辞めた主な原因みたいです。
あ、ルイナさんの名誉のために書きますが、彼女は全くの無関係ですからね?
ただ、パーティ内の雰囲気があまりに悪いので抜けた……それだけです……。
話を終えると、ありがとう少し気分が晴れた、と儚げに笑うルイナさん。
……誰かに話を聞いて欲しい時ってありますからね。気持ちはよく分かります。
でも、その表情を見るとまだ少しだけ心配です……う~ん、どうしましょう?
……あ! そうだ! ルイナさん、暫く私のパーティに入りませんか?
このままルイナさんを一人にするのは不安ですし、これは我ながら名案です!
しかし、ルイナさんは即答を避けました。一晩考えさせてほしいと……。
その後、ルイナさんと別れ私達は再びクエストボードの前へ。
う~ん……大丈夫ですかね、ルイナさん……。
まぁ、とりあえず明日まで待ってみましょう。
……あ、今日も依頼は儲からない薬草採取です。
今日の収支
銀貨:-6枚(宿泊費×5+ソシオ)(食事◎、寝床◎)
+3枚(依頼報酬 報酬増額中)
――――――――
残金:銀貨45枚、銅貨64枚
(ノ_-;)ハア…やはり安全な採取系は儲かりません。
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