286日目:ギルドからの知らせ。
神聖歴六一〇三年・
ふふっ、昨日の夜は新しい毛布のお陰でぐっすり眠れました。
これでもう子供たちが寒さに震えることもありませんね。安心です。
さて、朝食を食べて今日もお仕事を頑張りましょう!
しかし、食堂へ行ってみると……食事がありませんでした。
え? なぜですか!? 私の朝ご飯はどこへ消えたんです!?
慌てて厨房に向かうと、そこには疲れ果てた様子のサマラさんが一人……。
あれ? 普段ならノアさんとサールさんもいるはずなのに……おかしいです。
困惑しつつサマラさんに二人のことを訊いてみると大変なことが発覚しました。
なんと、今度はノアさんとサールさんが熱を出して寝込んでいるそうです。
そして、そのせいで今朝はサマラさんが一人で朝食の支度をしたんだとか。
ふむ、お昼はルルちゃんかニコさんを助っ人に回したほうが良さそうですね。
皆の食事をサマラさん一人で賄うのは流石に無理があります。
……えっと、それで私の分の朝ご飯は残って……いませんよね。ごめんなさい!
朝食の話をした途端、サマラさんの雰囲気が険しくなったので急いで撤退です。
はぁ……結局、朝食を食べられませんでした。……お腹が切ないです。
って、今はそんなことを嘆いている場合じゃありませんね。
サールさんとノアさんの様子を見に行かないと……二人とも大丈夫でしょうか?
まずはサールさんの部屋を訪ねます。
部屋に入ると、ちょうど食後のお薬を飲んで寝ようとしているところでした。
例のお薬を飲んだならもう安心ですね。今日はゆっくり休んでください。
さて、寝るのを邪魔してもなんですし、次はノアさんのところへ向かいしょう。
そうしてノアさんの部屋の前に来ると、中から酷い咳が聞えてきます。
慌てて中に入ると、ノアさんは食事もほとんど食べずに寝込んでいました。
勿論、例のお薬も飲んでいません……食事と一緒に机に乗ったままです。
大丈夫ですか? とりあえずお薬を飲んでください。楽になりますよ。
けれど、薬を飲ませようとすると、毛布の奥深くへ逃げ込むノアさん。
むっ……ダメです! ちゃんと飲むんです! え? 別の薬なら飲む?
……私の時は無理やり飲ませましたよね? さぁ、甘えずに飲むのです!
数分後、どうにか飲ませ終えました。ふふっ……勝った!
まぁ、これで明日には二人とも元気になっているでしょう。
そんなことを考えつつ歩いていると、慌てた様子のエマちゃんと出会います。
彼女の手には白い封筒が握られていました。
私に駆け寄ってくると、その封筒を渡してくるエマちゃん。
私宛? 差出人は……冒険者ギルド? ……嫌な予感がしますね。
不安に思いつつ内容を確認すると、依頼の完了報告でした。
指名依頼が完了しました。手続きのため冒険者ギルドにお越しくださいって……。
え? 終わった? この指名依頼が? ……唐突過ぎませんか!?
……とりあえず明日にでもギルドに行って話を聞いてみないと。
……一体なにがどうなっているんでしょう?
今日の収支
特になし
――――――――
残金:金貨1枚、銀貨6枚、銅貨26枚
借金残高:金貨12枚、銀貨86枚
(゚◇゚;) 依頼が……終わった?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます