284日目:ミアさんの帰郷。
神聖歴六一〇三年・
くしゅんっ……今朝も冷え込みますねぇ。息も吐いた途端に真っ白です。
けれど、この寒さにもめげず子供たちは早朝からお仕事を頑張っています。
……正直に言うと彼らがこうして働くのはまだ少しだけ心配ですし、反対です。
でも、エマちゃんの昨日の言葉を思い出すと今は信じて応援するしかありません。
さて、私は教会堂や部屋のお掃除でもしていましょう。頑張れ、ちびっ子たち。
というわけで、まずは教会堂の清掃です。
毎朝、数人の子供たちが掃除はしているんですけどね。
でも、彼らにはまだこの教会が広すぎるのか、やり残しが割とあります。
なので、今日はちびっ子たちが普段しないところを重点的にお掃除です!
けど、水拭きはナシにしましょう。だって……水が凄く冷たいんですよ?
しかし、教会堂の清掃を終え、各々の部屋を掃除しようとしたら悲劇が……。
ニコさんの部屋が物凄く汚れています……これは水を使わないと無理です。
洗われずに放置された機材の数々に、床には薬品をこぼしてできた染み……。
子供たちも過去の酷い経験からこの部屋には近付かないので汚れ放題です。
はぁ……ここは私が頑張りましょう。……ニコさんも聖水作りで大変ですし。
そうして掃除をしていると、何してるにゃ? と背後からミアさんの声が!
ちょうど良かったです! ミアさんも暇なら手伝ってください!
と、振り向き助けを求めますが、彼女の姿を見て困惑してしまいます
えっと、ミアさんはなんでそんなに大荷物を背負っているんですか?
そう、なぜかミアさんは背中に大きなリュックを担いでいたんです。
普段と違う様子に戸惑っていると、今からマーガの街に帰るにゃ、とミアさん。
え!? そんな急な! 確かに数日中に帰るって話でしたけど……。
思わず声を上げると、全てあの白猫が悪いにゃ、とミアさんは肩を竦めます。
……最後にまた皆で食事をする予定にしてたんですよ? ……それなのに。
そう言って落ち込むと、また次の機会があるにゃー、と励ましてくれます。
それから数分後、ミアさんは皆に見送られながら教会を出て行きました。
本当は港のほうまで見送りに行こうと思ったんですよ?
でもミアさんに、皆忙しいからここでいいにゃ、と言われてしまいました……。
……次はいつ会えますかねぇ。分かっていましたけど、やっぱり寂しいです。
ミアさんが消えた後も道に佇み、そんなことを思っていると手に柔らかい感触が。
驚いて視線を向けると、エマちゃんと数人の子供たちに手を握られていました。
戸惑い目を瞬かせる私に、教会に帰ろう~! と笑顔で言うエマちゃん達。
そうですね……寒いし、掃除も残っていますし帰りましょうか。
頷くと、はやくはやく~、と私の手を引き歩きだすエマちゃんとちびっ子たち。
……教会に帰る……でも、次は私達がこの教会を出て行くんですよね。
はぁ、依頼が終わって教会を去る時は、笑ってさよなら……したいですねぇ。
今日の収支
特になし
――――――――
残金:金貨2枚、銀貨44枚、銅貨26枚
借金残高:金貨12枚、銀貨86枚
(ノ_σ)クスン もう少しミアさんと一緒にいたかったです。
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