274日目:六人で行く冒険。

 神聖歴六一〇三年・初春鼠はつはるねずみの月第一二日・天気:晴


 う~ん、寒いけどいい朝ですね! 絶好の冒険日和です!

 デュラハン迎撃戦を除けば今回が初のパーティ全員での本格的な冒険。

 教会を一人任せるサールさんには申し訳ありませんが、凄くワクワクします。

 

 そんな気持ちを抑えながら、午前中は普段通り教会のお仕事です。

 門を開け、外で待っていた冒険者さん達を教会へ通し、聖水などを販売します。

 うん、今日も順調、順調です。私達が留守の数日間もこれが続いて欲しいです。

 あ、最後にもう一度だけ聖水などの在庫確認をしておかないと……。

 一応対策済みですが、私達のいない時に在庫切れになると補充が面倒です。


 そうやってお仕事と諸々の準備を終えた午後。出発の時間が迫ってきました。

 メンバーは私にノアさん、ニコさん、ルルちゃん、サマラさん、ミアさんです。

 ……ミアさん、暇だからついて行くにゃ~って、大丈夫なんでしょうか?

 ブランさんから許可は貰ったらしいですけど、少しだけ心配です……。


 でも、いつかは組みたいと思っていた六人パーティがようやく実現しました。

 実は私が大好きな物語【ルナの冒険記】の主人公達も六人パーティなんです。

 なので、冒険者になってから六人パーティを組むのは密かな目標の一つでした。

 ……まぁ、リンセさん捜索依頼時も六人パーティでしたけど、アレは例外です。


 あの時のは偶然できたパーティですからね……けど、このパーティは違います。

 これは私の、私自身の力で集めた仲間たちと組んだ初めての六人パーティです。

 そのことを思うと、冒険へ出る前なのになんだか凄く嬉しくてドキドキします!


 なんてことを考えつつ教会の門へ向かうと、そこにはサールさんと子供たちが。

 暇をみつけて皆で見送りに来てくれたみたいです……ふふっ、大袈裟ですね。

 でも、とっても心が温かくなります。大丈夫ちゃんと無事に帰ってきますから。

 ……サールさん、ちびっ子たち、それでは冒険へ行ってきます!


 そうして皆に手を振り見送られ、私達は教会をあとにしました……。


 夕方、王都南に広がる森にどうにか到着しました。

 今回はこの森の奥にあるダンジョンを探索する計画です。

 しかし、今日はもう時間も遅いため森の入口で野宿をします。

 真夜中の森を進むとか体力を消耗するだけで良いことはありません。

 

 野宿の準備は私とニコさん、ルルちゃんがテント張り担当です。

 夕食はノアさん、ミアさん、サマラさんが作ってくれます。

 はぁ……まさかサマラさんも料理が得意だったなんて……。

 

 ぐすん……パーティ内で料理ができないダメな子は私だけとか悲しいです。

 そうだ! 今後、仲間を増やす機会があったら料理が下手な人にしましょう。

 それで二人で頑張って練習とかして皆をアッと驚かせるんです!

 ……言っていてなんだ虚しくなってきました……料理上手になりたいです。


 さて、美味しい夕食を食べて今夜は早めに寝ましょう。

 ……明日はいよいよダンジョン探索です。


 今日の収支

 特になし

 ――――――――

 残金:金貨1枚、銀貨31枚、銅貨26枚

 借金残高:金貨12枚、銀貨86枚


 o(T^T)o 私だって野菜の皮ぐらいは剥けるんですよ!

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