260日目:教会の宣伝用張り紙!
神聖歴六一〇二年・
ふぁ~もう朝ですか? 会議が深夜まで続いたせいでまだ少し眠気が……。
でも、皆で話し合ったおかげで新しい再建案もなんとか形になりました。
あとはとりあえずこの計画に沿って運用してみるしかないですね。
実際に始めてみないと分からないこともありますし……まだまだ忙しそうです。
そうそう、ブランさんが提案した猫銭の活用法は結局取り入れることにしました。
おまけが付いているとやっぱり嬉しいですからね。猫銭は凄く可愛いですし。
ただ、猫銭の動きが全く予測できないので、暫くは試験運用が続きそうです。
でも、どれだけの猫銭が予想通りに戻ってきますかね?
期待通り集客に結び付いてくれるでしょうか? 少しだけ不安です。
そんな心配をしつつ朝食後、早速作業を始めます。
午前中は香草を栽培するために庭のお手入れです。
雑草を抜いて土を耕し肥料を加え、土壌を栽培に適したものへ改良します。
冒険者から今度は農家になった気分ですね。はぁ、慣れない鍬が凄く重いです。
あぁ、ニコさん! 余計な肥料を撒かないでください! 栽培計画が崩れます!
午後は庭での作業を終え、室内で教会を宣伝する張り紙作りです。
……なんか教会というより完全に商店の手法ですよね、この辺り。
けど、待っていても誰もこんなボロい教会には来てくれませんからね……。
教会らしくなくない方法でもなんでも活用していくしかありません。
サールさんには申し訳ないですけど暫くの間我慢してもらいましょう……。
広間で張り紙を作っていると、段々と周囲に子供たちが集まって来ました。
なに書いてるの? お絵描き? 私たちもする! と口々に騒ぐ子供たち。
う~ん……仕方ないですね。この隅の空いている場所ならいいですよ~。
そう言うと、わ~い、やったぁ~! と思い思いに何かを描き始めます。
……まぁ、ミアさんが面倒を見てくれるようですし、大丈夫でしょう。
数時間後、子供らしい可愛い絵で彩られた張り紙が十枚ほど完成しました。
ふふっ、なんかどことなくこの教会っぽさが出ていて良い感じです。
しかし、眺めているとあることに気が付きます。
子供たちが描いた絵の中に不思議と見覚えのある生き物の姿が……。
肌色と茶色の斑模様で、このぐちゃっとした感じの生き物って、まさか……。
恐る恐る確認すると、気付いたにゃ? ナメークにゃ! と笑うミアさん。
思わず驚くと、冒険者さん達の好きな生き物なんだよね! と子供たち。
!? それは誤解なのです! もう! ミアさん! 余計なことを教えて!
はぁ……でも描き直す時間もありませんし、このまま使うしかないですね。
夕方、冒険者ギルドに出向き、許可を取って張り紙を張らせてもらいます。
作業をしていると、張り紙を眺めニヤニヤと笑う受付の眼帯お姉さん。
ナメークの絵に気付かれた!? くっ……しかし、ここは無視です、無視!
さて、こんな張り紙でお客さんが増えてくれるんでしょうか……?
今日の収支
銀貨:-1枚(ギルド掲示板利用料)
――――――――
残金:金貨3枚、銀貨18枚、銅貨57枚
猫銀銭190枚
借金残高:金貨12枚、銀貨86枚
(・-・) 上手くいきますかね?
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