253日目:ただいまです!

 神聖歴六一〇二年・黄冬猪おうとういのししの月第二二日・天気:雨


 朝を待って教会へ帰ると雨の中、門の前にサールさんと子供たちの姿が!

 予想外の出迎えに驚いていると、駆け寄り抱きついてくる子供たち……。

 こ、こら! 雨に濡れますよ! こんなに寒いと風邪をひいちゃいます!

 しかし、注意しても一向に離れてくれません。もう、どうしたんですか?


 困惑していると、昨日の夜からずっと心配していたんですよ、とサールさん。

 そして、そう言うサールさん自身もどこか安堵の表情を浮かべています。

 ……いつの間にかすっかりこの教会の一員になってるんですね、私達。


 ふふっ、ただいまです! デュラハンの討伐を終えて無事に帰って来ましたよ!

 その報告に、おかえりなさい! と笑顔を向けてくれるサールさんと子供たち。

 なんかいいですね、こういうの。帰りを待っていてもらえるって嬉しいです。


 そんな幸せを喜びつつ、今日は雨も降っているので一日ゆっくり過ごすことに。

 昨日は夜遅くまで戦ってましたからね。その後も野宿で割と体力的に限界です。

 しかし、教会の広間にある暖炉の前で休んでいると、襲いくるちびっ子たち!

 

 ……少しは休ませてください。って、あれ!? いつの間にか皆がいません!

 ノアさん達……私を囮にして逃げましたね!? 仲間を見捨てるなんて酷いです!

 あぁ、待ってください。遊ぶ、遊びますから! だからそんなに叩かないで……。

 うぅ、もっとこう読書とか落ち着いたのにしません? しませんね……はぁ……。

 しょうがないですね。満足するまで冒険者ごっこに付き合ってあげましょう。


 結局それから夕方近くまで子供たちと遊んで過ごしました。

 元気過ぎますよ、ちびっ子たち。全く、どこにあんな体力があるのやら。

 一人で色々な魔物役をしていた私はもうくたくたです。割と本気で叩かれますし。

 

 でも、この子たちが将来、冒険者を目指せば有望な新人になるかもしれませんね。

 そうだ、いっそ今からその時のために教育するというのも……。

 ダメですね、疲れて考えが変な方向に……はぁ、早くベッドで寝たい……で、す。


 なんて思っていると、突然背後から肩を揺らされました。

 ほぇ!? ビックリして振り返るとそこには困った顔のノアさんが。

 こんなところで寝たら風邪ひくよ? って、あれ? 私、眠ってました?

 あぁ! というか、私に子供たちを押しつけてどこに隠れていたんですか!?


 囮にされたことを思い出し抗議すると、まあまあと宥められます。

 それから食堂へ案内されると、中はご馳走で溢れていました。

 ど、どうしたんですかこれ!? 普段目にしない料理が沢山あります!

 テーブルを見渡し驚くと、帰還祝いですよ、とサールさんが教えてくれました。

 その言葉に、お祝い、お祝い、と周囲の子供たちも嬉しそうに笑います。


 ノアさん達が途中から消えたのって、これの準備が理由ですかね?

 ま、まぁ、そういうことなら許さなくもないです。

 さて、冷めないうちに早く頂きましょう! ちびっ子たちも待っていますしね!

 

 今日の収支

 特になし

 ――――――――

 残金:金貨3枚、銀貨29枚、銅貨63枚

     猫銀銭190枚

 借金残高:金貨12枚、銀貨86枚


 (≧▽≦)  皆で楽しくお祝です!

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