247日目:動き始めた教会再建。
神聖歴六一〇二年・
ふふっ、今日からパーティに新しい仲間が加わります。そう、サマラさんです!
昨日の夜、今後のことを相談していると自然とそういう話になりました。
彼女も治療院の支払いなどでちょうどお仕事を探していたみたいです。
それならすぐに力を貸したのに。なんで話してくれなかったんでしょう?
訊くと、自分からは頼み難かったんだ、と恥かしげに答えてくれました。
そして、退院祝いの時はごめんね、と気にしていないことまで謝ってくれます。
頼られたくて心ない言動を取ってしまったと……サマラさん意外と可愛いですね。
そんなわけで、今日から新パーティで教会の経営再建に取り組んでいきます。
今年も残りはあと十五日ほど。どうにか年内に再建の道筋をつけたいですね!
教会に到着すると、どこか不安げな面持ちのサールさんが出迎えてくれました。
しかし、サマラさんの姿を見つけるとそれも安堵の表情に変わります。
やっぱり教会のことを知っている仲間が一緒だと心強いみたいです。
挨拶を終えたら今日の予定をサールさんに説明しました。
今回はこの教会で販売する商品の試作などを行います。
とりあえず候補に挙がっているのは聖水と焼き菓子です。
聖水は本来なら所属する教団や教派からほぼ無料で譲ってもらえます。
けど、ここは単立教会ですからね……自前で用意するしかありません。
焼き菓子は調査に行った教会でよく売られていたので、それを参考に。
あと仮に残っても子供たちのおやつにできるので無駄がありません。
で、作業は各自分担して行います。
焼き菓子はノアさんとルルちゃんに任せ、私とニコさんは聖水の製造へ。
あ、サマラさんとサールさんは教会の申請関係の書類とにらめっこです。
さて、私とニコさんは物起き小屋を借りて聖水作りを始めたわけですが……。
ニコさんが全ての作業を凄く嬉しそうにやるので、私のお仕事がありません。
……まぁ、彼女が暴走しないように監視するのも重要なことですけど。
でも、本当に聖水って香草と塩水から作るんですね……。
以前も聞きましたけど、こうなるとやっぱり教会はぼったくりです。
数時間後、完成した聖水の試作品を数本持って近くの墓地へ。
ニコさんによるとそれぞれ成分が違うので効果を試したいそうです。
けど、どうやって調べるんですか? いえ、なんとなく予想はできますが……。
おずおず尋ねると、右目で見えたゴーストに使ってみてください、とニコさん。
はぁ……やっぱりそうなりますよねぇ。
溜め息をつきながら右目の眼帯を外すと、その途端に目がちかちかと痛みます。
うわぁ……沢山ゴーストがいますよ。ざっと数えても二十体以上……。
目の前の光景に顔を青褪めさせていると、無言で聖水を渡してくるニコさん。
うぅ……こういう時、ニコさんって意外と厳しいんですよね……。
頑張ってゴーストに聖水を投げつけましょう……。
今日の収支
銀貨:-4枚(宿泊費×5+ソシオ)(寝床◎、食事◎)
――――――――
残金:金貨3枚、銀貨33枚、銅貨83枚
猫銀銭190枚
借金残高:金貨12枚、銀貨86枚
(_ _;)…久々に右目を使うと凄くキツイです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます