230日目:久々のお仕事。
神聖歴六一〇二年・
よし! 今日からいよいよお仕事に復帰ですよ!
最初の依頼はなににしましょうか? 採取系とか軽めのものがいいですかね?
う~ん、悩みます……今からワクワクが止まりませんね!
部屋で一人ドキドキしながら、各種装備を久しぶりに身に着けます。
鎧一式に小剣二振り、鞭、そして外套と背には兎リュック。
手入れはしていましたが半月も使っていないと微妙に違和感がありますね。
あ! いけません。アレを装備し忘れていました。
治療院を退院する時、職員さんに黒い眼帯を貰ったんです。
なんと、これで右目を隠せばゴーストが見えなくなるんですよ!
まぁ、見た目通りの眼帯なので他の物も見えないんですけどね……。
色々検査しましたが、こういう方法しか防ぐ手段がなかったんです……。
マナ適正があれば、自力で制御できる可能性もあったみたいなんですが……。
さて、眼帯を着けたものの……やっぱり少し視野が狭くなりますね。
右のほうがかなり見え難いです。あと微妙に距離を把握しづらくなりました。
う~ん……場合によっては外したほうがいいかもです……戦闘時とか。
そうやって支度をしていると、ノアさんが部屋に様子を見に来てくれました。
眼帯をした私に気が付くと、ノアさんは一瞬だけ悲しげな表情を見せます。
もう……気にしなくていいのに。さっ! お仕事に行きますよ! お仕事!
見なかった振りをして笑顔でそう言うと、ノアさんは無言で頷いてくれました。
ギルドへ行く道すがら、気になっていた治療費についてノアさんに尋ねてみます。
すると、治療費は退院から三十日以内に払えばいつ支払ってもいいそうです。
割と高額なこともあるので、暫くの間猶予期間があるんだとか……。
それでも払えなかった場合は以後なにがあっても治療してもらえないらしいです。
……うん、忘れずに支払いましょう。金貨七枚……足りますかね?
そうして治療費を気にしつつも今回は薬草採取の依頼を受注しました。
受付の眼帯お姉さん、というかギルドマスターにも討伐系は止められましたしね。
でも、ギルドマスターの忠告を聞いていて実際、正解だったと思います。
左目だけだと予想以上に動きに支障が出ました……。
森を歩いていると何度も転びそうになったんです……。
はぁ……以前のように冒険できるのはもう少し先になるかもしれません。
夕方、依頼された量の薬草を採取し終えたので王都へ引き上げます。
……この時間なら急げば治療院の面会時間にまだ間に合うかもしれませんね。
よし、早く帰って皆でサマラさんのお見舞いへ行きましょう!
治療院はそれぐらいしか楽しみがないので、きっと喜んでくれるはずです。
そうと決まれば急ぎますよ~。撤収~、撤収で~す。
……あ、ついでに治療費も払っておきましょう。
今日の収支
銀貨:-3枚(宿泊費×4+ソシオ)(寝床◎、食事◎)
+4枚(依頼報酬)
金貨:-4枚(治療院:入院費+ノアさん達の治療費未払い分)
――――――――
残金:金貨3枚、銀貨21枚、銅貨83枚
猫銀銭190枚
借金残高:金貨12枚、銀貨86枚
<(T◇T)> 金貨が! 金貨がぁぁぁ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます