223日目:……急変。

 神聖歴六一〇二年・神楽狗かぐらいぬの月第二二日・天気:曇


 紆余曲折あり、サマラさんの仲間のゴーストを捜すことになったわけですが……。

 人捜しでも大変なのに相手は神出鬼没なゴースト……簡単にはいかなそうです。

 う~ん……とりあえずサマラさんにまた色々話を訊いてみましょう……。


 昼食後、サマラさんへ会うため部屋を抜け出します。

 ……毎日の連絡用に部屋で会う時間を決めなかったのは失敗でしたね。

 レイス化している彼女もゴーストと同じで見つけ難いのに……。

 ……今日はどの辺を彷徨ってますかね、彼女。

 よし、まずはこれまでにサマラさんと遭遇した場所へ行ってみましょう。


 しかし、どこを捜してもサマラさんは見つかりません……おかしいですね。

 ……それに職員さんやゴーストに一度も出会わないことも気になります。

 困惑していると、なにやら人の騒ぐ声が聞こえてきました。

 昏睡状態のサマラさんがいる集中治療室のほうですね……行ってみましょう。


 うっ……部屋へ近付くと急に右目がチカチカしだしました。

 ……なにか嫌なとても予感がします。

 そうして廊下の角に隠れ部屋の様子を探ってみると……ヒィッ!

 思わず上げそうになった悲鳴を口に手を当て必死に抑え、目を逸らします。

 ど、どういう状況ですか、アレ……へ、部屋の前にゴーストが群がってるとか。

 そのゴーストを気にもせず慌ただしく部屋を出入りする職員さん達……。

 ……見えないって幸せですね。けど、サマラさんになにかあったんでしょうか?


 怒られるのを覚悟して職員さんを捉まえ、事情を訊いてみると……えぇ!?

 さ、サマラさんが危篤ってどういうことですか!?

 この前まで普通に眠ってたじゃないですか! 説明してください!

 けれど、職員さんも焦っているのかそれ以上は相手にしてくれません。


 ……仕方ないですね……直接部屋に乗りこんで状況を確認しましょう!

 確実に叱られますが、そんなことを気にしてる場合じゃありませんしね。

 と、意気込んだものの……あのゴーストの大群を突っ切るとか……。

 ……だ、大丈夫ですよね? ……少しだけ不安になってきました。


 うえぇ……部屋には辿り着きましたが気持ち悪くて今にも吐きそうです。

 右目を手で覆ったのでゴーストは見ずにすんだんですけどね……。

 ……ゴーストに近付くほど、右目の痛みが強くなるのを忘れていました。

 でも、なぜか部屋の中には入って来ませんね、ゴースト……不思議です。


 突然現れた私に職員さん達は驚いていますが、今は無視。

 急いでサマラさんに駆け寄り、その手を握ります。

 その瞬間、薄らと目を開けるサマラさん! 気が付いたんですか!?

 しかし、彼女は小さく口を動かし微かに笑うと再び気を失ってしまいます。


 ……ありがとうって……絶対このまま終わらせませんよ!?

 願いを叶える時はサマラさんも一緒にいないとダメなんですからね!?

 

 今日の収支

 銀貨:-2枚(宿泊費×3+ソシオ)(寝床◎、食事◎)

    +1枚(ノアさん達の依頼報酬)

 ――――――――

 残金:金貨7枚、銀貨19枚、銅貨23枚

    猫銀銭190枚

 借金残高:金貨12枚、銀貨86枚


 ・゚・(ノД`;)・゚・ 緊急事態なのです!

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