213日目:ギルドへの報告。

 神聖歴六一〇二年・神楽狗かぐらいぬの月第一二日・天気:晴


 う~ん、眩しいです……。窓から差し込む朝日で目が覚めました。

 寝惚け眼を擦りつつベッドから起き上がると、体に少しだけ痛みが走ります。

 ……でも、この程度なら日常生活に支障はなさそうですね。


 服を着替え、様子を見に来てくれたノアさんと一緒に部屋の外へ。

 左右に続く白い廊下……やっぱり知らない建物です。どこですか、ここ?

 気になってノアさんに訊いてみると、王都東区の治療院らしいです。

 因みに、私が最初にいた白い部屋は集中治療室だったんだとか……。

 そんな場所に放り込まれるほど危険だったんですね、私……少し反省です。


 その後、治療院から外出許可をもらい冒険者ギルドへ向かいます。

 あ、治療院にはもう数日入院しないといけないそうです……。

 その間、お仕事は厳禁……それでも報告ぐらいならと許してもらいました。

 今回は依頼が依頼なので少しでも早く連絡した方がいいですからね。


 ギルドに着くと、既にニコさんやルイナさん達がホールで待っていました。

 その中には元気そうなルルちゃんの姿も。よかった本当に無事だったんですね。

 近づいて声をかけると、私の姿を見て驚く面々……え? なんですかその反応。

 困惑していると、駆け寄って泣きながら抱きついてくるルルちゃん。

 それを見てルイナさんやルンダさんはどこかホッとした様子で笑いだします。

 そして、動けない私へ無理やりお薬を飲ませようとするニコさん。

 こら、やめなさい! そんなに沢山は飲めないのです!

 

 それから色々と話を聞いていると、皆は今朝ほど治療院を退院したんだとか。

 はぁ……私だけまだ数日間あそこにいないといけないなんて……最悪です。

 溜め息をつき落ち込むと、ゆっくり休みなさい、と頭を撫でてくれるルイナさん。

 そして、こんなになるまで頑張ったんですもの、と私の白い髪へ視線を向けます。

 ……ありがとうございます。さて、そろそろ報告へ行きましょう。


 受付へ行くと、ホール奥の個室へと案内されました。

 そこで待っていたのは、いつもの眼帯お姉さん。……お姉さんがなぜここに?

 疑問に思っていると、アタシがギルドマスターだからだよ、と衝撃の事実が!

 ……でもお姉さんがギルドマスターなら腑に落ちる点が無数にあります。

 でも、見えませんねぇ……ギルドマスターに。

 なんて思っていると、ああん? と睨まれたので急いで報告を始めます。


 説明を終えると、ご苦労さん報酬は多めに出すからゆっくり休みな、とお姉さん。

 えっと……それだけですか? リンセさんはどうなったんですか?

 訊くと、無事だから安心しな。けどそれ以上は言えない、と首を横に振られます。

 気になりますけど仕方ないですね。リンセさん良家のご令嬢ぽかったですし……。

 ……きっと大人の事情ってヤツです。

 

 さて、話も終わったので治療院へ戻ります……でも、嫌ですねぇ、治療院。


 今日の収支

 銀貨:-2枚(宿泊費×3+ソシオ)(寝床◎、食事◎)

 金貨:+4枚(依頼報酬)

 ――――――――

 残金:金貨7枚、銀貨16枚、銅貨53枚

    猫銀銭190枚

 借金残高:金貨12枚、銀貨86枚


 (゚‐゚*) 一人だけ治療院生活です……。

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