189日目:しばしの休息。

 神聖歴六一〇二年・時雨鶏しぐれどりの月第一九日・天気:曇


 パーティ・アルクからの助っ人ルイナさんが加わった物資運搬任務七日目。

 背に乗る人数が増えた分、ソシオの体力が心配でしたけど問題はなさそうです。

 一晩たった今日も私たち五人を乗せ元気に街道を走ってくれています。

 でも、あまり無理はさせられないので、休憩は多めにとる予定です。


 そうそう、ルイナさんともだいぶ仲良くなりましたよ!

 特に親しくなったのはノアさん。弓矢について夜遅くまで語り合っていました。

 内容は弓や矢の材質から始まり、鏃の形や重さ、矢羽根の種類など等……。

 話があまりに専門的過ぎて私にはほとんど理解できませんでした……。

 ただ分かったのは弓矢が実際には物凄く手間のかかる武器だということです。

 ……私には向きませんね。剣や鎧の手入れでも精一杯ですし……。


 お昼、街道沿いの草原で昼食を食べながら、ちょっと長めの休憩。

 少し歩けば近くには森や湖もあり休むには絶好の場所です。

 各自好きな場所でそれぞれ羽を伸ばします。

 

 ニコさんはいつも通り森に薬草採取へ。

 ノアさんとルイナさんも弓矢を持って夕食の材料を森へ狩りに……。

 ルルちゃんはソシオと湖で遊んでいます。

 私は草原で軽くお昼寝です。はぁ、風が涼しいです。

 

 くしゅんッ……肌寒さで目を覚ますと、時刻はもう夕暮れでした。

 失敗しました……完全に眠っていたようです。

 どうして誰も起こしてくれなかったんでしょう?

 そう思って辺りを見回すと、皆近くで気持ち良さそうに寝ていました。

 なんだかんだと結構疲れが溜まっていたのかもしれませんね。

 仕方ありません、今日はここで野宿をしてゆっくり休みましょう。


 というわけで皆を起こして野営の準備に取り掛かります。

 夕食はノアさんとルルちゃん、ニコさんが作ってくれるようです。

 人数が増えたので食事の準備にも人手がいります。

 でも、いいですねぇ……三人とも楽しそうで……。

 私も料理さえできればあの中に混ざれたのに……。


 溜め息混じりにテントを張っていると、ルイナさんが手伝いにきてくれます。

 お礼を言うと、私も料理は苦手だからと、苦笑するルイナさん。

 こ、こんなところにお仲間が! そうですよね、難しいですよね、料理。

 材料を切るのは簡単なんですけど……味付けが……。

 え? ルイナさんは切るのも苦手? それは意外です。

 そんなことを話しつつテントの設営を続けます。

 ふふっ、なんだかルイナさんとさらに仲良しになった気がします!


 完成した夕食はとても豪華でした。

 ノアさん達が狩った鳥の炭火焼に、ニコさんが採ってきた茸のスープ。

 ルルちゃんとソシオが捕まえたお魚の塩焼き。

 あとは簡単なサラダとパン。野宿での夕食とは思えませんね。

 ルイナさんも目を丸めています。私もビックリです。


 食事後、片付けは私が全て引き受けました。

 だって……食材を用意してないの私だけでしたし……。

 はぁ……水が冷たいです。早く終わらせてゆっくり寝ましょう。


 今日の収支

 (特になし)

 ――――――――

 残金:金貨1枚、銀貨50枚、銅貨53枚

    猫銀銭190枚

 借金残高:金貨17枚、銀貨76枚


\(^▽^)/ 久々の御馳走でした! 明日からまた頑張ります。

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