179日目:ルルちゃんの新装備。
神聖歴六一〇二年・
ふぁ~、よく寝ました。今日は昨日の大雨が嘘みたいないい天気です。
火蜥蜴狩りの後、雨の中移動するのを避けて近場で野宿をしたのは正解でしたね。
これなら王都まで安全に帰れそうです。朝食を食べたら早速出発しましょう。
そうして王都に着いたのはお昼が少し過ぎた頃。
東区アルシス街は今日も変わらぬ喧騒に包まれています。
人々の活気ある声に各工房の作業音、本当にこの街は賑やかです。
さて、色々用事はありますが、まずは武具店へ向かいましょう。
ルルちゃんの装備が早ければそろそろ完成している筈です。
お店に着くと、筋骨隆々のちょび髭おじ様は店先をお掃除中でした。
体格に合わない小さな箒を持って掃除をするその姿はちょっと笑いを誘います。
おじ様も女性の店員さんを雇えばいいのに……。
そうすればもう少し流行ると思うんですよね、このお店。
そんなことを考えて眺めていると、こちらに気が付き声を掛けてくるおじ様。
笑顔のおじ様への挨拶もそこそこに依頼の進捗状況を尋ねてみます。
すると、ついさっき完成したよ、という返事が! 流石です、おじ様!
どんな装備ができあがったのか早く見せてください!
そして、私の様子を笑うおじ様に店の奥へ案内されると、それはありました。
淡い緑色をした一揃いの革鎧です。
全体的に緩やかな丸みを帯びたデザインに加えて色の影響もあり、とても優しげな印象を受けます。
けれど、護るべきところは護り、使用者の動きを阻害することのないその作りは極めて実戦的な鎧です。
これならどんな時もルルちゃんを護ってくれる、そんな気がします。
あまりに素晴らしい鎧に見惚れていると、おじ様に小剣を手渡されます。
そうでした……まだ武器を確認していませんでした。
紅い革製の鞘に収まった小剣……抜いてみると現れたのは純白の剣身。
剣だというのにどこか温かみのあるこれは……鉱物素材じゃありませんね。
軽く振ってみると剣身の厚さに比べて意外なほど軽いです……。
素材を確認するとオーガの骨の一番硬い部分を使用しているんだとか。
これならワイバーン相手でも刃こぼれしない、と自信満々のおじ様。
武具の確認を終えたら、改めておじ様にお礼を言います。
本当にありがとうございました。きっとルルちゃんも喜びます!
それにどこか照れたように笑うおじ様。
これからも色々よろしくお願いしますね!
その後、おじ様と今後の予定を確認してから店をあとにしました。
先程の装備はまだお店に預けたままにしてあります。
明日以降、ルルちゃんが帰ってきたら最終調整をしないといけませんからね。
あぁ、でも本当にいい装備でした。
ルルちゃんに渡すのが今から楽しみでしかたがありません。
早く無事に帰ってきてほしいですね。
あ……火蜥蜴素材や私の武器とかの相談を忘れていました。
まぁ、またすぐ来ますし、その時にしましょう。
今日の収支
銀貨:-2枚(宿泊費×3+ソシオ)(寝床◎、食事◎)
――――――――
残金:銀貨66枚、銅貨53枚
猫銀銭190枚
借金残高:金貨17枚、銀貨76枚
(*'-'*) もうすぐ、もうすぐルルちゃんが帰ってきます!
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