105日目:港街・マーガ。
神聖歴六一〇二年・
シユさん達に貰った地図を頼りにマーガの街を目指しています。
書かれた通りならお昼頃には街に着く予定です。
そしてお昼少し過ぎ、ついにマーガの街に到着しました!
門を抜けて街に入ると、目の前に広がる光景に思わず圧倒されます。
吹き抜ける潮風、赤いレンガ造りの建物、港に集まる大小様々な船!
ドワーフにエルフ、ケット・シー、蜥蜴人など多種多様な人々。
まるで全く違う国を訪れたみたいです!
街の様子に見惚れて立ち尽くしていると、ブランさんが声を掛けてきます。
自分達は商会に用事がるので、これで失礼しますと。
あ、街に着いたからもうお別れなんですよね……少し寂しいです。
良い旅をありがとうって、それは私達の台詞ですよ。
ブランさん達がいなかったこんなに早く辿り着いていませんし。
本当にありがとうございました。
別れの挨拶を終えると、街の雑踏へ消えていくブランさん達。
名残惜しいけど、仕方ありませんね。
そうそう、護衛代ですが断ったのに契約通り払ってくれました。
護衛らしい仕事をしていないので、少し心苦しいです。
うん。もし今度、依頼を頼まれたら格安で引き受けましょう。
……さてと私達も冒険者ギルドへ報告に向かわないと。
しかし、冒険者ギルドに辿り着くと予想外の事に言葉を失ってしまいました。
ノアさんとニコさんも唖然としています。
だって、ギルドの建物が――
――港に浮かぶ巨大なガレオン船なんです!
ガレオン船は速度、積載量共に優秀で、砲撃戦にも適した大帆船です。
それが何でギルドに……この街は驚く事ばかりです。
で、とりあえず中に入りましたが……ほ、本当に冒険者ギルドです。
その事実に困惑していると、ようこそ我がトルメンタ号へ、と声を掛けられます。
振り向くと、三角帽子を被り左目に眼帯をはめた顎髭豊かな男性の姿が。
屈強な身体と日焼けした肌がまさしく海の男を連想させます。
挨拶を返すと、エドと名乗るこの男性、なんとギルドマスターでした!
……どう見ても海賊の船長ですよ、貴方。
……よし。そういうものだと割り切って、受付へ報告に向かいましょう。
……考えたら負けな気がします。
受付に居たのはこれまた筋骨隆々なお兄さん……す、少し怖いです。
けど、対応は丁寧かつ細やか……見た目はアレでも流石ギルド職員ですね。
依頼報告と換金を済ませると、紙を一枚渡されます。
はい? ケルピーの登録申請?
話を聞くと使役した魔物はギルドへ登録する義務があるんだとか。
提出は明日までですか……分かりました。
さて、後は宿屋を探して休みましょう。
あ、でもケルピーも泊まれる場所ってありますかね? 心配です。
――こうして私達はようやくマーガの街に到着したのでした。
今日の収支
銀貨:+70枚(オーク討伐及び素材売却×2)
+90枚(依頼品運搬報酬)(保証金の返却金含む)
+15枚(ブランさん護衛代①)
-4枚(宿泊費×3+ケルピー)(寝床☆、食事☆)
猫銀銭:+100枚(ブランさん護衛代②)
――――――――
残金:金貨1枚、銀貨75枚、銅貨1枚
猫銀銭190枚
O(≧▽≦)O 祝マーガの街なのです!
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