92日目:マーガの街へ行くのです!!

 神聖歴六一〇二年・七夜馬ななようまの月第一四日・天気:晴


 さて、昨日からニコさんとの共同生活が始まりました。

 と言っても宿屋暮らしですけどね。あのあばら家に住むとか無理です。

 ……彼女、少しはまともな生活に戻れると良いですね。

 

 三人で仲良く朝食を終え、冒険者ギルドへ。

 ニコさん、少し気分が悪そうですけど大丈夫ですか?

 朝から固形物を食べるのは久々だからって……じゅ、重症ですこの人。

 私が確りして真人間に戻さないと!


 とか思いながらクエストボードの前で依頼を選びます。

 今回は何にしましょうか? 暑いですし楽なのが良いですね。

 悩んでいるとノアさんが一枚の依頼書を渡してきます。

 

 運搬任務ですか……場所はマーガの街。馬車でも一〇日程は掛かる港街です。

 でも今の時期なら海は気持ち良さそうですね……。

 よし! これに決めましょう! お仕事を終えたら海でパーっと遊ぶのです!


 浮かれていると受付のお姉さんに、仕事ですからね? と釘を刺されました。

 うっ……わ、分かってますもん! 依頼のついでに少し遊ぶだけですよ!

 思わず反論すると、気を付けて行ってらっしゃい、と苦笑するお姉さん。

 はい! 頑張ります! お姉さんも次会う時まで元気でいて下さいね!


 それから冒険者ギルドを出て、荷物を受け取りに商業ギルドへ向かいます。

 ……初めて訪れた商業ギルドは真っ白で綺麗な建物でした。

 そこを訪れるのは立派な服を着込んだ商人や使いの執事の方々……。

 私は無骨な鎧姿……ちょっと場違い感が凄いです。

 

 少し気後れして立ち止まっていると、ノアさんが呆れたように溜め息を吐きます。

 そして、私が確認して来る、と言い残し颯爽と建物の中へ消えていきました。

 うぅ……ノアさんは綺麗だしメイド服だから気にならないんでしょうけど……。

 

 暫くするとノアさんが困った様子で商業ギルドから出てきました。

 話を聞くと、保証金を預けないと荷物を受け取れないと……。

 金額は……高すぎません!? けど仕方ないですね。それでお願いします。

 お金を渡すと建物へ引き返していくノアさん。

 何気に面倒ですね……こういう時の為にちゃんとした服を買いましょうか。


 そんな事を考えながら待っているとノアさんが戻ってきました。

 荷物は無事に受け取れたそうです。

 いつもの様に魔術で収納してるから安心だよ、とノアさん。

 こういう時は本当便利ですよね、その空間魔術……私も使いたいです!


 次は旅支度の為に市場へ向かいます。

 ニコさんが増えたので色々買い足さないといけません。

 野宿セットなんかも大型の物に買い直しです。

 何気にお金が飛んでいきますねぇ……。

 

 うん、ニコさん、それいらないです。それもいらないです。

 もうっ! 何でお薬の材料ばかり買おうとするんです!?

 ノアさんも笑ってないで止めて下さい!


 騒ぎながら準備を整え、明日からいよいよマーガの街へ出発です!


 今日の収支

 銅貨:-42枚(宿泊料×3)(寝床〇、食事〇)

    -30枚(薬草等)

 銀貨:-40枚(依頼保証金)

    -2枚(野宿セット大)

    -4枚(食品等)

 ――――――――

 残金:銀貨5枚、銅貨1枚

 猫銀銭30枚



 \(;゚∇゚)/ お金が! この依頼を失敗したら明日は無いのです!

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