84日目:新パーティ(仮)です。
神聖歴六一〇二年・
今日はニコさんとパーティを組んでの初仕事です!
天気もいい感じに晴れていて絶好の冒険日和。楽しみですねぇ。
朝食を終えてギルドへ向かうと、ニコさんが既に待っていました。
声をかけると眠たそうに挨拶を返してきます……えっと、大丈夫ですか?
銀髪は昨日よりボサボサだし、丸眼鏡の下の目元にはクマも出来てるような……。
よ、夜はちゃんと寝たんですよね、ニコさん? ……少し心配です。
そんなニコさんの装備は上が革製の胸鎧、下は膝丈のスカートとブーツです。
腰のベルトにはポシェットが三つ。そしてやっぱり長袖の白衣を羽織っています。
剣や槍、鈍器等の得物は所持していない感じです。
あとはポーターが使うような巨大なバックパック……背負って走れますか、それ?
……うん、何か色々不安です。
と、とりあえず依頼の説明をしましょう。
今回はヘーロ地下水路ダンジョンに潜ります。
一ヵ月程前にも探索したルーファの地下に存在するアレです。
目的は第一階層に最近現れているラットマンの調査及び可能ならば討伐。
なんでも凄く凶暴なのが一匹暴れているそうです。
あ、コレだけだと儲けが少ないので前回と同様の納品依頼も並行して行います。
説明を終えたら早速出発です。
……ちゃんと聞いてましたかねニコさん……頭がふらふらしてましたけど。
ダンジョンの入口である街中心部の噴水には、市場を経由してから向かいます。
昨日は買い出しに行けなかったので、その分を今から購入する予定です。
噴水に到着したのはお昼頃。
警備の衛兵さんに許可を貰い、噴水横の石造りの小さな建物の中へ。
その際、ラットマンには十分注意するように言われました。
油断して被害に遭った冒険者が数多くいるそうです。
松明を点けてから地下へ続く階段を進んで行きます。
地下に着くと水気を含んだ空気が体中に纏わりつきます……凄く湿ってますね。
臭いも前回よりキツイ……異常にドブ臭いです。
あぁ……もうなんだか既に帰りたく……でも頑張りましょう。
そんな事を思っていると、ニコさんがバックパックの荷物を漁り始めます。
暫くして出てきたのは底に取っ手の付いた奇妙な深鍋です。
ニコさんはその中に灯りを点けると取っ手を掴み深鍋を横にして持ち上げました。
すると前方だけを光が真っ直ぐに照らします。
しかもかなり遠くまで光が届いてますよ! 何ですかコレ!?
驚いていると、
少し前から冒険者ギルドに頼まれて錬金術師ギルドが研究しているそうです。
なるほど、暗い場所を冒険する事は多いですからね。
それにこれなら雨の日とかでも火が消えなくて良さそうです。
そんなニコさんの不思議な道具の助けもあり、歩くのがかなり楽になりました。
やっぱり明かりは大切ですね!
さて、先に納品依頼を片付ける為に第二階層へ向かいましょう!!
今日の収支
銅貨:-7枚(松明セット×3)
-50枚(食料品等)
-20枚(油壺×4)
-40枚(採取瓶×10)
――――――――
残金:銀貨31枚、銅貨63枚
猫銀銭30枚
オオーw(*゚o゚*)w 錬金術は不思議な道具が沢山です!!
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