56日目:憂鬱なお仕事です。
神聖歴六一〇二年・
今日は朝から憂鬱です……本当嫌です今回のお仕事……。
でも頑張らないとですね……。
待ち合わせはお昼からなのでその前に色々準備です。
気乗りしない仕事ですが手を抜けば自分と仲間が危なくなります。
ノアさんと必要な物を購入し終え、街の東門へ。
到着すると少年とお爺さん、あと中年の男性が既に待っていました。
……何か増えてるし!?
私達に気が付くと、もっと早く来いと文句を言う少年……時間通りですよ!!
面倒なのでとりあえず謝って自己紹介。
まず少年はライ君という名前でした。短く揃えた赤髪が特徴的です。歳は十二歳。
その生意気そうな蒼い眼で私を始終睨んできます……私何かしましたか?
因みに装備は腰に差した短剣と革の胸鎧のみ。
そんな軽装でダンジョンとか……頭痛い。
好々爺然とした柔和な笑みを絶やさないお爺さんはセバスさん。
丸眼鏡と緩く波打つ銀髪がお洒落です。
着ているのは昨日と同じ燕尾服。見える範囲で鎧はなし。
ただ両手に何かの鱗で作った手甲を装備しています。
……まさかの近接格闘系ですか……む、無理はしないで下さいね!?
残る中年男性はゲインさん。角刈りで黒髪、狼の様な鋭い眼が非常に怖いです。
装備は使い込んだ銀色の全身鎧と背に身の丈ほどの大剣。
一目見ただけで相当な実力者と分かります。
なのに……なのにランクFってもはや詐欺です。
……絶対何かあります! 聞きませんけどね!!
私達の紹介は、ナメークハンターズで~す、と適当に言っておきました。
ノアさんギョッとしてましたね……ふふふっ、私も自分でこの名を使うとは思いませんでした……。
でも、彼らと仲良くする気は更々ないですからね……。
私の紹介が不満なのかライ君がより一層睨んできますけど……君のその態度も一因ですからね?
まぁ、そんな感じで挨拶を終え、早速移動する事になりました。
目指すはルファルド廃鉱ダンジョン。明日には到着する予定です。
門を出ると幌馬車が用意されていました……贅沢な!
セバスさんが御者台へ、残りは荷台へ乗り込みます。
荷台を確認して驚きました。手荷物が少ないと思ったらここに樽や木箱を大量に載せています……行商でもするつもりですか?
ライ君は勝ち誇った顔をして、足りなかったら分けてやるぞ!! 的な事を言ってきますがご心配なく。
兎リュックに必要な物は入ってますし、ノアさんもいます。頼る事はないのです。
なので素っ気なく対応すると何故か騒ぎ出します……本当面倒ですねこの子。
そんな後ろの様子を気にも留めずセバスさんはゆっくりと馬車を進め始めます。
そうそう道の途中で正騎士団の一行とすれ違いました。
……捜索範囲を広げているんでしょうか?
まぁ、こっちも関わり合いになりたくないので無視ですけど。
……あぁ、早くこの仕事終わりたい。
今日の収支
銅貨:-50枚(携帯食料一式)
-10枚(チーズ×1ブロック)
-20枚(油壺×4)
-7枚(ツルハシ:ノアさん用)
-50枚(廃坑の地図)
銀貨:-4枚(鉱山灯×2)
――――――――
残金:銀貨47枚、銅貨71枚
( -.-) =зはぁ……逃げ出したい。
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