44日目:ノアさんの受難
神聖歴六一〇二年・
この料理懐かしい。帰って来たんですねぇルーファの街に。
宿で朝食を楽しみつつ小さな幸せを満喫していると、ノアさんからこの後の予定を尋ねられます。
そうですね……今日は武具店のお爺ちゃんへ会いに行きましょう。
……装備の修理をお願いしないと。
武具店では普段通りお爺ちゃんが店番をしていました。
私達に気が付くと少し驚いた様子です。
お久しぶりです、と挨拶をしつつ早速本題に入ります。
私が取り出した壊れた胸鎧と小剣、短剣を見つめ難しい顔で唸るお爺ちゃん……え、もしかして直らない!?
という訳ではなく、何でこんな事になったのか詳しく聞かれました……め、目が怖いですよ、お爺ちゃん!!
その迫力に恐る恐る説明し、売らずに残しておいたアントキラーの素材を兎リュックから取り出します。
それを手に取り無言になってしまうお爺ちゃん……。
不安になってノアさんの方へ顔を向けると、唖然とした様子で私を見詰めていました……な、なんですか?
すると、どうしてそんな目にあって生きてるんですか? と真顔で尋ねてきます……さぁ? 私が知りたいですよ。
暫くするとお爺ちゃんから修理を引き受けると返事を貰えました。
しかもアントキラーの素材を使って装備を強化してくれるそうです!!
あ、でも……費用は如何ほど……。
聞くと格安でした。な、何でそんなに安いんです!?
驚いていると、いつか出世して払え、という事でした……は、はぁ……。
何か微妙に納得しかねますけど、お爺ちゃんが嬉しそうなので黙ってお願いする事にしました。因みに完成は数日後です。
そうそうノアさんの装備も頼もうと思ったんですが遠慮されました。
なんでも空間魔術で異空間にごちゃごちゃと沢山仕舞ってるんだそうです。
そういえば、暗器とかハンマーを以前も取りだしてましたね……他に何があるんでしょう?
予定が早く終わったので、そのままギルドへ仕事を探しに行きます。
軽めのクエストならまだ出来そうです。
二人であれこれ選んでいると受付のお姉さんが近付いて来ました。
その表情はどこか申し訳なさそうです……嫌な、凄く嫌な予感がします!!
案の定でした。お姉さんが持ってきたのは俗に言う指名依頼。
特定の冒険者やパーティ、コミュニティへ発行される特別依頼です。
受けない選択も出来ますが、後々の評判に関わってくるので大抵の場合は引き受けるのが普通です。
依頼内容はというと……キングナメークの討伐……数は……はい? 四〇匹!? それ以上は要相談って……。
ノアさん、逃げ出そうとしてもダメですよ。
私達二人への指名ですし……加えて依頼主がギルドマスター……断る選択肢は消滅です……慈悲はありません神は死んだのです!!
宿へ帰るとノアさんの恨み節を延々と聞かされ続けました……。
……この仕事が終わったら二人で美味しい物でも食べに行きましょうね。
今日の収支
銅貨: -28枚(宿泊料×2)(寝床〇、食事〇)
銀貨: -4枚(装備改修費用)
――――――――
残金:銀貨8枚、銅貨9枚
o(T□T)o"ヽ(・ω・; ) ソンナニナカナイデ ノ、ノアさん、ガンバです!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます