43日目:ハンターズ!!

 神聖歴六一〇二年・皋竜こうりゅうの月第二六日・天気:晴


 いい天気ですねぇ。木々の葉の隙間から陽の光が降り注いできます。

 今日こそは森を抜けたいですね!


 ノアさんは朝起きて来ると確り元気になっていました。

 昨日、無理させた事を謝ると、気にしなくていいと言ってくれました。そして、夜はありがとうと。

 そういう訳で今日も二人で仲良く森の中を進みます。


 とはいっても闇雲に歩き回っても迷うばかりです……。

 そこで閃きました。ヒントはキングナメークです。

 ヤツらはモミジャ草を主食にしています。そして、その草が生えるのは川や水辺の近くです。

 という事はこの近辺に川がある可能性が! それを下って行けばいずれ人里に出られます!!


 川を探し始めるとノアさんが近くで水の流れる音がする事を教えてくれます……私には聞こえませんよ?

 すると彼女は少し尖った自身の耳を指差します……なるほど四分の一でもエルフはエルフですか。

 ノアさんの案内で暫く進むと本当に川がありました!!

 あ!! モミジャ草も沢山ある!! ノアさん! 採取です、採取!!


 二時間程で採取を終え、川の下流へ向かいます。

 採取したモミジャ草は全て私の兎リュックに詰めました。

 ノアさんに渡すとアレがいる異空間へ一緒に放り込む事になるので何か嫌じゃないですか。

 そう言うとノアさんにポカポカと軽く叩かれました。冗談ですってば。


 そしてついに森を抜けました!!

 周囲を見渡して場所を確認すると、遠くに小さな壁のようなものが見えます。

 え? もしかして街の外壁ですか!?

 私ではそれ以上見えないので、ノアさんに確かめてもらうとやっぱり外壁でした。しかも門の紋章はルーファの街を示す一角獣!

 着いた! 着いたんですよ!!

 本当に近道だったんですね! だって予定より一日早いです!!


 その後、夕暮れ前にどうにか街へ入れました。

 ふぅ、今日は美味しい食事とお風呂、それにベッドでゆっくり出来そうです。

 でも先にギルドへ報告に向かいましょう。

 ギルドでは受付のお姉さんが涙目で喜んでくれました。

 よく考えたら一ヶ月ぶりの再会ですか……。

 

 挨拶もそこそこに色々換金してもらいます。

 まずはモミジャ草。最近は納品が殆どないらしく大変感謝されました。

 そして最後、ノアさんが目を閉じて震えながら取り出したキングナメークでギルド内が騒然となります。

 なんでもモミジャ草の納品が減ったのは近頃増えすぎたこいつらが原因なんだそうです。

 ただ、見た目と出現条件がアレなので誰も率先して狩ってくれず対策に苦慮していたんだとか……そんなに嫌いですかコレ。


 そこで誰かが呟きます、流石ナメークハンターだと。

 いや、二人だからハンターズじゃね? と……ちょっ!? 

 あぁ、ノアさん気を確かに!! お姉さんも笑ってないで止めてください!!

 あ~ん!! 妙な二つ名がレベルアップしたのです!!


今日の収支

銅貨:+40枚(モミジャ草5袋:買取価格増額中)

   -28枚(宿泊料×2)(寝床〇、食事〇)

銀貨:+8枚(キングナメーク×10:討伐報酬増額中)

――――――――

残金:銀貨12枚、銅貨37枚


( ´△`)アァ- 嫌な二つ名がますます広がっていきます……。

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