13日目:護衛二日目
神聖歴六一〇二年・月兎の月第二六日・天気:曇
……眠いです。
仮眠を挟みつつの焚火番はやはり辛いです。
しかも昨夜は時折雨が降るので、気が気ではありませんでした。
そんなほぼ徹夜状態からの護衛二日目。
私やミリさんは早くも荷馬車の上から、夢の世界へ旅立ちそうです……。
というか、ちらちら見える先頭のガンツさん……もしや寝てませんか? たまにガクッと頭が下がっているのです。
でも、アーメットで頭部が完全に隠れているので、怪しまれつつもばれていないようです……いいですねアレ。
私も欲しいです……いやいや駄目ですね。真面目に見張りましょう。これは仕事です。
時折、同乗している商業ギルドの方が、眠そうにしている私達を見て苦笑しながら、しっかり働いてくださいねー的な事を言ってきます。
微妙に癪ですね……貴方達と違って夜は熟睡してないのです……いいじゃないですか、欠伸の一つぐらい。
それにしても、先頭の荷馬車が妙に遅いですね……どうしたんでしょう?
理由は野営場所で分かりました。
どうも荷馬車の車軸に問題が起きているようです……よくここまで持ちましたね。というか、直せるんでしょうか?
結論から言うと、修理は時間的、技術的に無理ということでした。
なので、荷物を無事な荷馬車にまとめ、壊れたのは置いていくそうです。
ただ、一つ問題が。そう、荷物を積む場所です……。
話し合いの末、私達冒険者は徒歩で移動する事になりました。ですよねぇ~。
あ、ガンツさんが呆然としています……確かにあの重装備で荷馬車について歩くのは地獄です。
残った馬に少しでも装備を載せられないか頼んでいるようですけど、無理でしょう。その馬には荷馬車に積み切れない荷物を載せるんですから。
縋るような様子でこちらを見てくるので、私とミリさんは慌てて首を横に振ります。いやいや、無理ですよ。私達も自分の荷物で精一杯なのです。そんな余裕はありません。
絶望した様子のガンツさんの肩を、マルガさんがポンポンと叩きます。意味を理解したのか、ガックリと肩を落とすガンツさん。
冒険者はいつだって自己責任なのです。
でも、今夜の焚火番ぐらいは代わってあげましょう。明日の為にゆっくり寝るといいのです。
そんなこんなで深夜の焚火番です。
二日続くと流石に眠いですね……夕食を食べ過ぎたのも原因ですかね?
今晩はマルガさんが御馳走してくれたのです。
干しに肉や乾燥野菜を使ったスープは大変美味しかったです。塩加減も絶妙でした。むむ、思い出したらお腹が減ってきたのです。
野宿セットにあった携帯食料でも齧りましょうか――
――うん、粘土っぽい見た目からアレでしたけど、これはナシですね。
何か、妙に甘ったるい泥のような味と食感です……うっ……吐き気が……。
まぁ、眠気がどこかに消えたのでいいですけど。
……もしかして元からそれ用ですか? まさかですね。
さて後数時間、頑張りましょうか。
今日の収支
特になし
――――――――
残金:銀貨3枚、銅貨79枚
(=_ヾ) ネムネムゥ ようやく明日で終わりです。早くベッドに寝たいです……。無事到着しますように。
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