11日目:お勧めクエスト
神聖歴六一〇二年・月兎の月第二四日・天気:曇時々雨
今日も天気がすぐれません。暫くこんな日が続くんでしょうか?
まぁ、そんなの関係なしに働かないといけないんですけどね。
というわけでギルドへやってきたのですが……。
ありませんね、薬草クエ……何故でしょう?
年間を通してあるはずなのですけど。
ギルドのお姉さんに聞くと、どうも一時的に受注と買取を停止しているそうです。理由はモミジャ草も無限にあるわけではないので定期的にクエスト等を止め、資源の回復を図るそうです。
納得です。けど困りましたね……もう少し薬草採取をして稼ごうと思っていたのですけど。
途方に暮れていると、お姉さんからあるクエストを勧められました。
内容はこの街から隣街の商業ギルドへ向かう荷馬車の護衛です。
募集人数は三人。報酬は一人銀貨一枚で、銅貨三〇枚を前払い。ランク制限はなし、但しギルドからの紹介が必須。
隣街といえば、馬なら一日でどうにか往復できる距離ですけど、荷馬車なら二日ほどでしょうか?
二日……途中野宿を挟むのを考えても、そこそこ割の良い仕事ですかね?
ただ一点問題が……この手の護衛任務の場合、襲ってくるのは魔物だけではないのです。
そう、盗賊等も警戒しないといけないのです。盗賊……つまり対人戦です。勿論そんな経験はありません。
難しい顔をして考え込んでいると、理由を察したのかお姉さんが教えてくれました。
これは私のような初心者を育成する目的も含め、商業ギルドと協力して行っているクエストで、荷物も盗賊等に狙われる危険性の低い物を選んでいるそうです。
加えて、今回の任務では護衛経験の豊富なBランク冒険者の方も同行するので、何かあっても安心ということでした。
いつも心配しかしないお姉さんのお勧めです、きっとそれだけ安全なのでしょう。
私は、迷った末にこの護衛任務を受注しました。
少し不安ですが、これは今後も通らないといけない道です。それなら、少しでも経験を積んでおきましょう。
今日中にもう一人を探すので、出発は明日からという事になりました。
えっと……今日のお仕事探しに来たのですけど……。
え? 明日の準備をしてしっかり備えなさい? そんな殺生な……。
私があんまりにも情けない顔をしていたせいか、お姉さんは溜め息を吐きながら、特別ですよと任務を一つ回してくれました。
街の中での簡単な配達クエストです。
珍しいですね……この手のクエストは楽で安全な割に報酬が良いので、早朝ギルドが開く前から並んでいないと受注できないのに。
疑問に思いながら配達予定日を見て察しました。どうも配達日程を繰り上げてこちらに回してくれたようです。
感謝、感謝です。お姉さんにお礼を言って、荷物を受け取り配達に出発です。この量なら夕方前に終わりますね。
完了したら明日の準備をしっかり整えて、今日は早めに就寝です。
宿屋は拠点候補のいつものとこです。
今日の収支
銅貨:+50枚(配達任務10個分)
-14枚(宿泊料)
――――――――
残金:銀貨3枚、銅貨49枚
く( ̄△ ̄)ノ 初の護衛任務ですけど、頑張るのです!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます