第3話 チェンジ ザ ワールド 私を捕まえて...

ひょんな事から、俺はエコグリーンカンパニーに電話をかけることになった。

名前からさっするに農業の会社じゃないか、という思いも頭をかすめたが、実際は違うみたいだった。

電話を応答してくれた女性は焦って話していたのだろう、安心出来るリズムを取りながら丁寧に対応してくれた。

透き通るような美しい声なのが印象的だった。


「古之宮の孫です」


「存じ上げています。日本語より英語の方がいいですかね?」


「いやその。英語喋れないですし、日本語で」


「なるほど。古之宮さんから聞いていませんでした。基本あの方は英語でお話されてましたからね」

思い出したかの様な楽しい声。


「じいちゃん、英語喋れるんですか!?」


「え。知らなかったですか。まぁ、そうですよね。そういう方ですよね。

あの、細かい話は会った時に話したいと思いますので安心して下さい。取りあえず送金しますので英語はほどほどに独学しといて下さい。

3ヶ月後に飛びますので」


「飛ぶ?どこに飛ぶんですか?」


「アメリカですよ」


俺はぶっ飛んだ気持ちになった。


「エコグリーンカンパニーにようこそ!」

頭がクラクラしながら聞こえたその声は、海を越えた遥か先から発せられている声だったのだ。









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