第35話 やはり就職活動は難航した・その2
そんな風に。
週6日は就職活動...説明会や面接、履歴書やエントリーシートを書く、情報収集をする、そしてバイトをする。
そして1日は完全に休んで、ゲームやアニメを観たり、自分のやりたいことをやって気分転換をする。
そんな日々が続いた。
就職活動をし始めてひとつ失敗したな、と思ったのは...SPIなどの筆記試験に対しての対策があまりできなかったこと。
選考に参加しても、テストセンターでのSPIや筆記試験が最初の関門となり、なかなかその先に進めない日々が続いたのだ。
選考に参加した会社のうち、90%以上は選考落ちしたわけだけど...その半数くらいは筆記などで落ちたと思われる。
(ちなみにもう半数の大半は書類選考で落ちたと思われ、面接で落ちたと思われるのはわずかだ。)
勉強や対策が必要ないと思ってたわけじゃないけど、まさかここまで苦戦するとは完全に予想外だった。
対策が必要だ...と感じた時にはもうすでに時が遅く、勉強に割ける時間はなかった。
今の会社に大きな不満はないのだけど、このときちゃんと筆記試験対策をしていればもう少し違った結果になったかもしれない...という気持ちは少しある。
そんな中でもできる対策はした。
大学に来ていた、就職活動のカウンセラーによるカウンセリングを定期的に受けた。
そのカウンセラーは実際に企業で選考を実施していたということで、とても的確にアドバイスをしてくれた。
履歴書の内容や書き方は大きく変わったし、擬似面接をしていただいたので面接の受け応えも自信を持てる内容になっていった。
ただ...それでも半年以上結果が出ない日々が続いた。
大学が始まって、試験が近づいて...ますます就職活動に割ける時間は減っていった。
不採用の会社も増えていき、ジリジリと追い詰められていく感覚は少しずつ増していった。
他の業界を...と考えなかったわけではなかった。
もう一度、洋服販売員...アパレル業界か。
もしくは、自分が好きなもの...ゲーム業界か、オタク関係の会社か。
あれこれ考えたものの、結局はIT業界の、それもSIの会社だけを受け続けた。
それはやっぱり、あの時気付いた目標があったから。
そこから生まれた志望動機があったから。
それが他の業界ではできないことだったから。
それに、今さら他の業界の志望動機なんか何も思い浮かびそうになかった...というのもあった。
そして、こういう考えを持つようにもなったから。
内定をもらって就職するだけが、人生の道じゃない。
内定もらえなくたって、何も死ぬわけじゃない。
契約社員で入って正社員登用されるという道もある。
あるいは、正社員の採用は他にもいくらでもある。
さらに言えば、正社員にならなくたって、生きてはいけるのだ。
そういう...ある意味吹っ切れたというか、破れかぶれな気持ちになれた。
だからこそ、追い詰められていってる感覚はあったが、焦って何かすることはなかった。
ただコンスタントに、週6日の就職活動とバイトと大学と、週1日休む。
そして、IT系の会社だけを受け続けた。
そうして続けていった結果、ついに努力は実った。
IT系の会社から内定をもらうことができたのだ。
それも2社。
しかも、どちらも東証一部上場、従業員数千人以上の大手企業だった。
就職活動を始めて9ヶ月目...8月のことだった。
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