第37話 そして今日に至る
さて...内定はもらえ、大学を卒業したわけだけど、大学卒業は8月で入社は翌年の4月であった。
つまり、7ヶ月間は学生でも正社員でもない、実質フリーターにならなければならなかったわけだ。
もちろん、大学は8月に卒業することについて問題ないかは、会社に確認し「間が空いてしまいますが、それを了承してもらえるのなら」ということで、問題はなかった。
その7ヶ月はずっと、これまでと同じ洋服屋で働き続けた。
一時は「もしかしたらずっと洋服屋で働き続けるのかも知れない」と考えていただけに、その7ヶ月間はとても感慨深かったのを覚えている。
また、その前までの期間はかなり大学や就職活動との両立で苦労したことも多かったので、純粋にバイトだけする期間というのはとても気楽で、そして新鮮だった。
3月の上旬、溜まりに溜まった有給休暇の消化のため、早めに最終出勤日を迎えた。
その会社はバイトでも有休が付いたのだが、4年少々で1回も使ったことがなかった。
バイトなのに有給休暇と言われても、どんなタイミングで使えばいいのかよく分からなかったのだ。
いざ辞めるとなると、逆に「最初は1年で辞めるだろうな、って思ってたのに...まさか4年も働くことになるとは」という意味で、感慨深かった。
名残惜しくもあったが、仕方がなかった。
最終日、それまでがんばった自分に一枚だけセーターを買った。
そんな波乱の大学生活を経て、就職して、今日まで生きている。
今も、その時就職した会社で働き続けてる。
思ってた未来とはちょっと違ってたけど、あの時がんばってよかったと今でも思ってる。
そして、今も自分の可能性に挑戦し続けてる。
仕事はもちろん、資格の取得やIT系の勉強をしたり。
あるいは、プライベートでも新しいことに取り組んだり...と、けっこう充実した日々を過ごしてる。
自分のやりたいこと、目標に向かって、いま自分ができることをやり続けてる。
それだけが、自分の未来を少しでもいい方に針路を変えてくれると信じて。
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