第2話 楽だから
今にして思えば、大学を4年も留年したのは必然だったと思う。
前述のとおり、将来が見えなくて、自分に自信が持てなくて、人と接するのが大の苦手だったからだ。
人は目標がなければ、がんばれない。
自分に自信がなければ、積極的に前に出られない。
積極的に人と接っしなければ、情報は集まらない。
大学生が単位を取るために必要な要素がことごとく欠けていた。
「なんで大学を4年も留年したの?」という質問は、現在でもときどき訊かれる。
そんな質問にわたしは「いや、ただ遊びすぎまして...」と言っている。
それが楽だから。
言われた方も「ああ、そーなんだね 笑」って納得しやすい。
確かに留年した期間はここぞとばかりに遊んでいた。
ゲームしたり、アニメ見たり、自分の好きなことやったり。
やりたい、やりたかったあらゆることをやっていたとさえ、思う。
でも、それは自分の悩み、苦しみ、迷いから生まれた結果にすぎなかった。
遊びたくて遊んでたのではなく、それらに向き合えなくて、逃げたくて、考えても答えが出せなくて...。
それがただの逃げじゃないか...と言われれば、その通りなのかもしれない。
留年してた期間は、いろいろやったし、いろいろ悩んで、そして結局大したことはできなかったような、そんな期間だった。
留年した理由を一言で語るにはあまりに難しい。
だから、「遊びすぎた」というふうに人には言ってはいるが、それで人に納得してほしくはない、という気持ちは否定できない。
自分の悩み、苦しみ、迷いを解決し、それらに対しての自分なりの解を生み出すための期間だった。
その期間を生むために必要だったのが、4年間の留年だった。
だから、留年は必要なものだったんだ。
...そう自分に言い聞かせなければ、やってられないという面もあるが...。
振り返ってみると、そんな自分になってしまった原因は、小学生時代からあるのではないか、と最近思う。
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