no.03 ウゥリエ『魔女狩り』
魔女ウゥリエは火に炙られていた。
それは魔女狩りの儀式だった。火葬炉には誰も入れないようになっている。鉄の扉の向こうから、彼女を罵倒する声と、彼女の恋人の嘆きが交互に飛んでくる。
熱い、熱い。ウゥリエは顔をあげる。彼女は目を疑った。誰も入れない火葬炉の中に"黒髪の女"が立っていた。彼女は村の者ではないようだ、ウゥリエが見たことのない外套を身に着けている。
黒髪の女はおもむろに、手に持つ銀のバケツに入った水をぶちまけた。火が消えるまで何度も何度も。そのバケツは魔法のバケツ。水なら次々湧いてくる!
(この女の方が、よほど魔女らしくはないか?)
猛火から救い出されたウゥリエは、咳き込みながらお礼を言った。
「ありがとう、だがどうして私を助け」
頭に斧が叩き込まれたので、ウゥリエの言葉はそれっきり。
◆ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◇
グレゴリールームに帰った女を、灰髪の男が手を打って迎えた。しかし戦利品である"魔女の死体"を見ると男の顔色はいっそう悪くなる。
「おまえの腕じゃ、こいつはまだ早くないか」
女は無表情で「時間なかった」と短く返した。頭をかち割られた魔女は赤いラインを部屋に記す。
「……ま、上手にやりな」
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