老人篇

宇宙船のホームの出た。ホテルをとっているわけでもなく、なにかアテもあるわけでもなかった。

ボクは辺りを見回した。

「おや、道に迷っている風だね」

誰もいなくなったはずのホームの真ん中に、老人が立って、ボクをみている。

「やりたい事がみつからず、どこへいけばいいか、何をすればいいか判らず。そんな顔をしておる」

「……」

ボクは、老人を穴が開くほどにみていた。どこから来たのだろう。こんな老人、宇宙船に乗っていただろうか。

それとも、……この惑星の住民?

「こんな伝説がある。マヲルーダのどこかには、どんな願いも叶えてくれる「光るストーン」があるという。もし道に迷っているのなら、「光るストーン」をそなたもさがしてみるがいい」

そして、すーっと姿を消した。

「光るストーン……?」

ボクは、老人の言葉を頭の中で繰り返した。その石があれば、ボクはビッグスターになれるだろうか。ボクは、淡い期待を胸にして、ホームを歩き始めた。

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