第4話

「こっちだ!」


「武器を持ったか⁉」


 村の人が近づいてる。気づかれたんだ。


「はい、逃げましょう」


「先生俺はやれるぜ!」


「ゾンビ野郎とジャイアは違うよ!」


 む、またジャイアたちは僕をバカにして。


「うるせえんだよくそ猿」


「ケツに溶けた鉄流し込むぞこら」


「すすすすいません!」


 ……二人ともうれしいんだけど、その怖い脅迫はやめてくれないかなあ?

 

「逃げるんですよ。ほらほら」


「というわけよ、こんなゴリラほっときましょう」


「わ」


「ちょっと! 何してんのよ!」


「君は速く動けないでしょ?」


「なら私が―あ、こら待て!」


 トモナミが僕を抱っこして走り出し、ミドが追いかける。

 先生も皆も続く。

 恥ずかしいなあ、なんでゾンビなんだろう僕は。

 トモナミの関節から噴き出る蒸気と妙な体の熱さを感じながら、僕はされるがままだった。

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