癒やし(彼女の場合)

 優都さんが案内してくれた店はこぢんまりとした雰囲気の良い店だった。

どうやら、本当に行きつけの店らしく店の人が気軽に話しかけてくる。

テンションの高い店員さんと落ち着いた優都さんのやりとりが面白く感じてしまい、ついクスリと笑ってしまった。


 優都さんが楽しそうに食事するのをみて思った。

やっぱり、この人が生きていきたいと思えるまで見ていよう。と。

私が彼を道連れにするわけにはいけない。

この人には、こうして仲良くしている人がいる。

私のように孤独ではないのだから。


 「さて、帰ろうか。明日じゅうにこの町を出ようと思うんだ。

帰って、準備しよう。純さん、お勘定を。」

「そうですね。私の分はお金出します。」

「女の子に払わせる訳ないでしょ。純さん、まとめてでいいから。」

「はいよー。お二人さん、幸せになれよー。落ち着いたら、呼んでよ!時間見つけて会いに行くからさー!連絡先も渡すから!」

純さん(?) のマシンガントークに優都さんがため息をつく。

私は笑いながら言った。

「かまいませんよ。きっと、ご連絡いたしましょう。」

「都さん、いいのかい?こいつは本気だよ?」

優都さんが心配そうに私を見る。

「いいのですよ。楽しそうではありませんか。目的地までの癒やしになりますよ。きっと。」

私は笑って答えた。

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