4月28日 晴れ

 今日の昼間は、特に何も無かった。

 どこまでも続く砂漠、生物との遭遇は無く、雨が振りそうにもない。

 持っていた食料を食べ、水を飲んだ。


 ただ、夕方におかしな形をした岩を見つけた。

 角の取れた直方体の岩が、四つほど重なっているのだ。

 それだけではなく、それぞれの岩と岩の隙間が開き、ふわふわと浮いていた。

 恐らく、滅んだ文明の遺産なのだろう。


 何のために作られ、何に使われていたのか。

 想像することすら出来ない。

 あるいは、遠い祖先なら知っていたのかもしれないが、私にその知識は伝わっていなかった。

 わかるのは、こうした岩の地中深くには、遺跡が眠っている可能性が高いということだ。

 無論、分厚い砂の下にあるだろうから、わざわざ掘って確かめることはしない。


 ただ、明日はこの周辺に遺跡の入り口が無いか、探してみようと思う。

 犬と共に行動するようになったことで、食料の消費は2倍になった。

 以前よりも、食料に対して貪欲になる必要があるだろう。


 夜は寒いが、犬とくっついて寝ると温かく、体力の消耗を防げる。

 犬といることで食料の消費は2倍になったが、こうした利点を差し引けば、必ずしもデメリットが目立つというわけではない。

 もし食料が枯渇してくれば、デメリットが目立つようになってしまうのだろうが……。


 犬の危機感知能力と探索能力は遺跡に強そうだ。

 明日、運よく遺跡を発見すれば、メリットを大きく感じることができるだろう。

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