4月27日 晴れ

 六角岩の群生地を抜けた。

 目の前には、懐かしい褐色の砂漠が広がっている。


 六角岩の群生地に入り込んでから、六日かそこらだったと思うが、かなり長く感じた。

 それは、変化に富む砂漠と違い、六角岩の群生地はどこまでも似たような風景が広がっているからだろう。


 六角岩の群生地を抜けたのが昼過ぎ。

 私は犬の頭でなで、犬は私の手を舐めた。


 犬とはそこでお別れだと思っていた。

 だが、犬はその後もついてきた。

 日が暮れた後も離れることはなかった。

 どうやら、私から離れるつもりは無いらしい。


 今は私の膝に頭を乗せ、うとうとと目をしょぼつかせている。

 警戒心は無い。

 私ももう、警戒する気にはなれない。

 今日は、このまま眠るのもいいだろう。


 そう思えることを、少し嬉しく思った。

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