4月26日 晴れ
六角岩の群生地が続く。
犬との活動は良いこともあったが、悪いこともあった。
今日のように食料が取れない日だと、食料の減りが2倍になるということだ。
この六角岩の群生地を抜けるまでは行動を共にするつもりだが、もし食料に余裕がなくなるようであれば、どうなるかわからない。
犬は現在、尻尾を振りながら端末の画面を眺めている。
眠っている時こそ離れてはいるものの、互いに起きている時には警戒しなくなった。
今この瞬間、犬の首筋に噛みついたとしても、犬は対処できないだろう。
そしてそれは、私の方も同様だ。
今この瞬間、犬が私の首筋に噛み付いても、私は対処できないだろう。
たった数日でこれほど変化したことに、驚きを禁じ得ない。
犬の行動にも、私の心境にも。
もしこれが、犬が狩りをする時の方法なのだとしたら、私は逆らえまい。
驚愕を顔に張り付かせたまま、彼の胃袋に収められるだろう。
あるいは、犬もまたそう思っているのかもしれない。
時折、ハッとしたように私から距離を取ることがある。
私が犬を太らせてから食べようと画策しているのかもとでも思っているのかもしれない。
それにしても、本当にどこまで続いているのだろうか、この六角岩は。
もう十年以上もここで過ごしているような気分だ。
意地でもここから抜け出したい。
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