4月14日 晴れ


 今日は人岩を見つけた、人の形をした岩だ。

 古代人によって作られたもので、恐らくかつてこの地を支配していた者を象ったものだろう。

 腕は両方ともなくなり、顔は半分に削れていたが、恐らく元はそうではなかったのだろう。


 この地の支配者には興味は無かったが、その近くで砂トカゲを発見した。

 腕半分に見たない小さい奴だが、これで10日分の食料になる。

 砂トカゲには毒がある奴もあるが、こいつは大丈夫だ。


 毒の有無は、足と目の数で見分けられる。

 足が六本、目が八つ。

 あるいは足が八本、目が四つの砂トカゲには毒がある。

 父からはそう教わった。

 だが、父からは「もしかすると我々の知らぬ毒トカゲがいるかもしれない、足と目の数を見て油断するな」とも教わった。


 足が四本に、目が四つ。

 このタイプは、獲物を麻痺させる毒は持っているが、身の部分に毒は無い。

 牙の近くを取り除けば、食べるのに支障は無い。


 さらに、人岩の下を掘ると、砂トカゲが備蓄していた虫の死骸を発見した。

 こぶし大の甲虫に、ムカデ、山程の羽虫。

 全て砂トカゲによって麻痺させられ、半死半生でピクピクとしていた。

 宝の山だ。

 トカゲ共々、美味しくいただかせてもらおう。


 今日はトカゲを乾燥肉とし、甲虫の殻をむいて中身を食べた。

 他の虫は瓶詰めにしておく。

 所詮は虫なので量は少ない。せいぜい4日分といった所だろう。

 合計して14日分の食料は確保できた。


 今日は良い日だ。

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