4月13日 晴れ
今日は何もなかった。
遺跡はもちろん、食料になりそうなものもみつからない。
幸運なのは、凶悪な生物に遭遇することがなかった、ということだろうか。
夜になると金色の月が登った。満月だ。
今日もまた、変異サソリの乾燥肉とわずかな水を口にする。
変異サソリの肉は恐ろしく硬く、口の中で何時間も噛まなければならない。
柔らかくなってにじみ出てくる味は、苦く、えぐい。
決して美味しいものではない。
だが、変異サソリの乾燥肉は保存がきく。
この苦味のおかげか、決して腐ったりカビたりすることはない。
変異サソリ自体が通常のサソリより大きいこともあり、量も取れる。
乾燥させることで匂いもなくなるため、他の生物が寄ってくることもない。
良いことずくめだ。
しかし、そんな変異サソリの肉も、残り少なくなってきた。
数ヶ月前に得た時は一生かかっても食いきれないほどの量があると思ったが、全て血肉となってしまったようだ。
明日はなにか、食料になりそうなものが見つかることを願う。
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