皆様は【生け贄】に選ばれました
全員の視線が、スクリーンへと向く。皆、どうすることもできず、説明を待った。
"夜々"が一人、冷ややかな目でスクリーンを睨んでいることにも気がつかずに。
『後ろにいらっしゃる方が、館及びこの"島"の現当主・"山科夜伽"さまです。』
"山科"と聞いて、夏生とアンナ、貴哉の三人が"夜々"を振り替える。
後ろの豪華そうなソファに悠然と腰掛けている女性。照明のせいか、顔はよく見えない。
「……何?やっぱりあんたなんじゃない!やけに冷静だったわよね?!」
三人の視線の先を観察していたのだろう。女子高生がまた掴み掛かろうとする。
『静粛に!その方に乱暴は許されません!……何もご存じないのですから。』
"夜々"を睨み付けながら、腕を下ろし、手を握りしめた。
『お久しぶりでございます、"夜々"さま。覚えてはいらっしゃらないでしょうが。』
……"夜々"がいた屋敷と同じ造りのこの部屋。意図して、"山科夜々"は連れてこられたことになる。それが果たして、どんな意味を持つのか。"夜々"は知らない。
『……皆様は、【生け贄】に選ばれました。生き残れるのは【選ばれた者】だけ。他の方には、【消えて】いただきます。』
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