四人目も戸惑い隠せず
静かになった。
更に後ろの床で誰かが起き上がる気配。三人が同時にそちらを向く。
一人、スーツで目立つ青年が不思議そうに辺りを見渡し、三人に気がつくと優しそうな笑顔を見せた。
「あの……、ここはどこでしょうか?あなたたちは?」
どこか、その質問に明確に答えられる人物はいない。
「お、俺は真屋夏生です!」
アンナで不安が同調していた夏生が、少し安心したように答える。
「ボクは、"山科夜々"。彼女は、"畑中アンナ"。
名前は答えられるけど、多分誰もがどこかはわからないと思うよ。」
起き上がるたびに、この何の変鉄もない説明をしなければならないのかと溜め息をつきながら、この青年はそういうことが得意だといいなと思った。
「そ、そうですね。私は"橘貴哉"です。あの、矢張……皆さん、同じ手紙で"迎え"に来られたってことでしょうか。」
「そうなんじゃない?答えられるのは、連れてきた人だけだろうし。」
「俺もそう思う……。」
「本当に……。いきなりで心当たりがないんですよね。」
呼ばれた理由……。それは必ずあるわけで。現段階で全く予想出来ないことだけは確かだ。年齢も様々に思える彼ら。
きっと全員あの手紙をもらっているはずだ。
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