夏生の家にて
ラジオの声に合わせて夢虚ろ
7月25日
いつもどおり6時25分に起床。
オレンジジュースを飲み着替えて出席カードを首にかけ早足で集会場所に向かう。
まだ目が開きにくい
夏生は先に到着していたようだ。
僕たち地区は六年生が5人いる。
最高学年なのでみんなの前に立ってラジオ体操をする。
6年生並んで体操し、夏生と僕は隣同士。
最後の深呼吸が終わった後、僕の耳元に小声で言ってきた
「今日昼から遊ばへん?」
「まあいいけど~何時から?」
「ん~・・・1時半とか?」
「OK、じゃあご飯食べたら家行くわ」
今日は特に予定もなく暇なので誰でもいいから遊びたかった。正直嬉しい。
「他に誰か呼ぶ?和樹とか?」僕は聞いた。
「今日は二人でいいやん。」
なんか変な気持ちになって胸元の出席カードに目線を下げた。
僕はその言葉に少しドキッとしたんだと思う。思春期の入り口を発見したけど咄嗟に目を背けたような気分だった・・・。
お昼を済まし、自転車で夏生の家に向かう。
1時半まで間は、特に何もせず宿題を少しやったり、NHK教育のスポンジボブを観ていた。
夏生の家はそれほど大きくなく、綺麗で全体的に整っていて結構居心地がいい。
ピンポーン「おじゃましま~す」
夏生は鉛筆を持ちながら二階から降りてきた。
「あがって。部屋のクーラー今壊れてて扇風機やから熱いけど~」
両親はここから少し離れた場所にある事務所で仕事らしい。
僕は階段を登り部屋に入った。
部屋には、頻繁に訪れないけれど幼稚園の年長から遊ぶときは行っていたので。トータル的に見れば回数が多いのかな。部屋も見慣れてる。
(いつ観ても綺麗にしてるなぁ。本棚もピシっと整えて)
あたりを見回しつつ
夏生の勉強机に座った。さっきまで絵を書いていたようだ。
遅れて夏生が麦茶を2つ持って部屋に入った。足でドアを閉めた。
「私どこ座ればいいんよ~もお」
「床で!」
「それ私の机やねんけどな~」
夏生は机にお茶を置き、床に座らずベッド淵にちょこんと座った。
夏生とあの場所で ピノ @milan13
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