case1-2




竹田も後を追い公園に入ると





竹田:・・・・・・え?





竹田の足が突然止まる




まだ日が出ているのに


その公園の中は夜中の様に暗かった





しかし、


竹田はその暗さに足を


止めたと言う訳ではなく、


自分自身の体が動かず


前に進むことが出来なかった





竹田:(か・・・体が動かない・・・?


何なんだよ急に・・・)





すると





鹿神:・・・竹田君、


落ち着いて


僕が付いてるから





気がつくと竹田のそばに


鹿神がいた





竹田:し・・・鹿神さん・・・





言葉を発するだけでも精一杯な


竹田の顔からは大量の汗が噴き出していた





鹿神:・・・もう


隠さない方がいいかもね・・・





鹿神は意を決したように





鹿神:・・・僕の仕事は心霊相談、


つまり幽霊を相手にする仕事だよ





竹田:ゆ・・・幽霊!?


でも・・・


それじゃあイレンシ相談所ってのは?





鹿神:あぁそれね・・・、


イレンシを逆から読んでみて





竹田:え?


イレンシ・・・、


シ・ン・レ・イ・・・





竹田はようやく


何が起きているのかを


理解しようとしていた





竹田:じ・・・じゃあ、


ここで・・・で・・・"出る"ってのは?





鹿神:ああ、


いるよ・・・この公園にね





そして鹿神は


前にゆっくり歩き出した





竹田:いるって・・・一体何が





鹿神:・・・子供の幽霊





鹿神はそれを言うと


ある場所で足を止めた





竹田:・・・鹿神さん?





鹿神:この子は竹田君に


危害を加えたりはしないよ



ただ遊んでほしくて


足にしがみついてただけだから





竹田:でも、


そんな事で俺の足が


全く動かなかったのは・・・





鹿神は竹田の方を振り返って答えた





鹿神:霊の思いが強ければ強い程


生身の人間の身体を止めたり


影響を与える事がある



それにもう動けるよ



子供はキミから離れてるから





気付くと竹田足は鹿神の言う通り


動かす事が出来るようになっていた





竹田:・・・鹿神さん、


その子供は今どこに?





竹田は恐る恐る聞いてみた





鹿神:今は・・・ブランコで遊んでるよ





鹿神の近くには確かにブランコがあったが、


それは全く動いていなかった





竹田:て・・・て言うか


なぜここに子供の幽霊が?





鹿神:・・・この子供はこの公園で死んだ





竹田:どうして・・・





鹿神:それは、


これを見ればわかるよ





鹿神は竹田に先程老婆から手渡された


新聞の切り抜きを見せた




竹田:この記事は・・・





その内容は10年前に


5歳の男子児童が


公園で遺体となって


発見された事件の記事だった





鹿神:竹田君、


君に頼みたいことがある





竹田:・・・え?


な・・何ですか?





鹿神:この2つの事件


ちょっと調べてもらえるかな?





鹿神は更にもう1枚の新聞の切り抜きも


竹田に手渡した





竹田:お・・俺に


聞き込みでもしろと?





鹿神:いやいや、


近くのネットカフェで


調べて来てくれればいいよ





竹田:で・・・でも、


どんな事を調べれば?





鹿神:・・・噂かな





竹田:う・・・噂?





鹿神:インターネットだったら


色々な噂が飛び交っている



デマも多いかもしれないけど


これらの事件に関係する噂を集めてみれば


その中から何かがわかるかもしれない





竹田:う・・・噂なら、


何でも良いんですか?





鹿神:あぁ、


情報は出来るだけ多く集めて



ネットカフェのお金は僕が出すから





鹿神はそう言いながら


竹田に千円札を手渡した





鹿神:そうだな・・・


大体2時間位したら戻って来て





竹田:・・・わかりました


やってみます





・・・・・・・・・・・・




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