登場人物(詳細)

◆日本政府(平成日本)

桐生きりゅう正尚まさなお(55歳、男、175センチ、78キロ)

与党保守自由党防衛大臣兼副総理。時震に巻き込まれて行方不明の伊福部首相にかわって内閣総理大臣代理となる。海上自衛隊の護衛艦の護衛艦に幹部として乗り込んでいた経歴を持つ。

性格は短気に見られがちだが、実は冷静沈着で温厚な人物。

党内の地盤は決して強固なものではないが選挙に強く、伊福部内閣のキーパーソンとして、高い政権支持率を下支えしてきた。伊福部内閣時の功績としては、スパイ防止法と戦略情報偵察局(通称JCIA)設置法を成立させたこと。

国防政策とと経済政策の双方に精通している、実務能力の高い政治家。実家は長崎市であり、被曝四世。

政務のかたわら純文学から漫画まで幅広い本を乱読する読書家であり、息子に勧められたことをきっかけに明穂の小説に触れることになる。


三枝美穂子(さえぐさみほこ、44歳、女性、152㎝、50㎏、内閣危機管理監)

若くして親の代から続く防衛関連の町工場を経営していた。30歳の時に夫との離婚をきっかけに会社を人に譲り、与党の議員候補者公募に応募して政治家に転身する。当選5回目の衆議院議員(選挙区は神奈川県)。女優並みの容姿とモデル並みの体型はマスコミでも持て囃され、マスコミから「美人すぎる女性議員」として騒がれたこともあった。

そんな周囲の評価も意に介さず、当選時から珍しく安全保障関連の政策にかかわってきた。危機的な状況でも冷静さを失わないところを買われて、40代の若さで危機管理監に抜擢される。二児の母(長女12歳、長男10歳)であるが、養育はほとんど祖父母とお手伝いに任せきりであるが、たまに家に帰ると溺愛ぶりで二人に迷惑がられる一面も持つ。


森脇雄二もりわきゆうじ(28歳、男、169㎝、65kg、航空自衛隊戦闘機三尉)

百里基地をホームとする305航空隊の戦闘機F-35パイロット。

千葉県出身。眼鏡着用。戦闘機で飛ぶことに関しては神経質な完璧主義者だが、生活の上ではひたすら怠惰な人物。ドーリットル空襲で、B-25を迎撃する。


仁藤昌弘(仁藤昌弘、54歳、男、海将補、のち中将、身長158㎝、65kg)

呉地方総監を務める、好々爺然とした男性。気さくな性格だが、眼光は鋭い。

小柄な体格だが動作は俊敏。豪胆な性格であり、日米合同演習では好成績を収めたこともあり、アメリカ海軍の一部でもそれなりに有名。潜水艦の艦長を長年つとめあげたあと、呉地方総監へ就任する。

趣味は釣りであり、休日は日がな一日釣り糸をたれている姿が見受けられる。「疑似餌使いは邪道」が持論。


物部燿一郎(ものべよういちろう、35歳、男、190cm、85kg)

市ヶ谷統合情報本部に勤務する情報分析官、階級は一尉(後に大尉)。

入隊直後から情報分析のプロとしての役割を期待されてきたエース級の人材。

インテリジェンスのプロとしての能力は高いが、人情の機微などに疎く、空気が読めない。

中学高校時代にはバレーの選手として活躍していたが、高校最後のインターハイ予選で今一歩のところで、相手校に惨敗して挫折。たまたま誘われて行った総合火力演習をきっかけに戦車兵を志して自衛隊に入隊するも、体格が大き過ぎることなどを理由に養成課程をはねられて、情報本部に勤務することとなる。基本的にワーカホリック。

以前はヘビースモーカーだったが、部下を持ったことをきっかけにきっぱりとタバコをやめた。そのかわりに眠気覚ましもかねてガムを常に持ち歩いている。

容姿と体格はそれなりだが、口を開けば空気の読めない発言をすることと鋭すぎる眼光から、女性にもてた経験はない。

首相直々に秋穂を擁する、NSC直属の特殊戦略研究班の班長を務めることとなる。


▼篠塚静香(しのづかしずか、29歳、女、165cm、62kg)

 第一空挺団始まって以来初めての女性将校。階級は一佐(少佐)。女性に長らく門戸を開いていなかった第一空挺団にあって、「男の中の男」、「キンタマを3つ持つ女」等のろくでもないあだ名を持つ。空挺徽章とレンジャー徽章を女性で初めて取得した女傑。

 類稀な格闘センスと卓越した戦術眼で知られ、陸上自衛隊=国防陸軍の有名人。

 既婚者であり、二児の母。


◆民間(平成日本)

菅生明穂(すごうあきほ、17歳、女、身長144センチ、体重45キロ) 

現役高校生にして少年キング文庫の看板作家。多様な作風で知られており、仮想戦記から歴史小説、学園ラブコメ、能力バトルものまで、幅広い作品を手掛ける。性格は自信過剰と思えるほどの自信家であり、プロ意識の塊のような人物。反面、自分自身の美学に反するような人物には容赦ない批判を行う。そのためネットでの活動を編集部から止められている。

洞察力と情報分析力に優れた安楽椅子探偵的知性の持ち主であるが、反面硬直的な思考傾向のある人物には手厳しく毒舌を吐く悪癖がある。出不精でほとんど友人も作らないでいるのはその悪癖を自覚しているせいでもある。

生活能力は極端に低く、放っておくと風呂も入らない、ご飯も食べないという生活を平気で行う。妹のかいがいしい「介護」がないとまともな社会活動が難しい破綻者。

 高額な寄付金さえ納めればいくら欠席をしようと卒業させてくれる中高一貫校に在籍しているが、これまで年間60日程度しか出席していない。

父は商社を経営、母もマーケティングの専門家として商社の経営に参画している。

 幼い頃から高い知性を示していた秋穂と両親の仲は悪く、特に秋穂が中学生になったころからお手伝いさんに任せきりでほとんど顔を合わせることはなくなってしまった。この頃から彼女は作家を志すことになる。

 一応高校生ではあるのだが、外見はそれなりに豊かな胸を除けばほとんど小学生にしか見えない。本人はそのことを非常に気にしており、日々牛乳をはじめとした乳製品の摂取だけは欠かすことはない。


赤城顕(あかぎあきら、52歳、男、165cm、90kg)

帝洋大学海洋エネルギー研究所所長。専門分野はメタンハイドレートであり、自治体と連携して佐渡ヶ島に表層型メタンハイドレートの採掘基地を建設する事業にも関わっている。

日本は自前の資源を持つべきであるというのが持論。ワーカホリックであり、同じ研究者である妻と顔を合わせることはほとんどない。趣味はサーフィンとスキー。


榛沢佑子(はるさわゆうこ、35歳、女、170cm、60kg)

 大学を卒業後、資源エネルギー産業を得意とする商社、「國満商会」に入社。油田開発の現場を渡り歩いてきた。男性社員ばかりの中で揉まれてきたせいか、口調は荒っぽく外見もヤンキー風。

 油田開発の現場で自分の身を守るためと身体を動かすのが好きなために軍隊格闘術を習得しており、そこらのチンピラなら秒殺出来るレベルになっている。 

趣味はバイクツーリングで、愛車はYZF―R3。休日になるとよく山奥までツーリングに出かける。

 唯一の悩みは、周囲にろくな男性がいなかったため、結婚どころか恋人として付き合うこともできていないところ。いつ彼氏が出来てもいいように料理教室に通ったりもしているのだが、今のところその努力は実を結んでおらず、だいぶ乙女をこじらせている。


陸軍(昭和日本)

大竹将道(おおたけまさみち、37歳、男、170cm、80kg、陸軍少佐)

熊本県の商家の四男坊として生まれる。実家はラジオの販売を手掛けており、子供のころから機械いじりを趣味としていた。幼少の頃から、「お前は四男だから自立して生計を立てよ」と言い聞かされたおかげで、中学校を卒業後陸軍予科士官学校へ進む。

卒業後は陸軍参謀本部第四課に勤務、大陸方面の諜報活動に関わってきた。

中佐への昇進をきっかけに参謀本部勤務に戻ったが、時震当時は「本土防衛計画研究」に携わっており、拠点の整備や実地調査等で全国を飛び回る毎日を送っていた。

大陸での経験をきっかけとして徹底した現場主義を貫き、参謀本部の建物に篭って空想的作戦計画を立てる高官には批判的。

陸軍軍人としては珍しく英語が堪能であり、アメリカ大使館付武官の経験も持つ。合理的な思考の持ち主であるが故に、「ドイツとの同盟は百害あって一利なし、米国との戦争は避けるべきである」と日頃から主張していたことから、特に親独派将校には睨まれている。

唯一の趣味はSF小説を読むことであり、その下地もあって平成日本の出現にいち早く適応した人物。

戦術、戦略的思考には秀でているが、射撃や格闘などの兵士としての技能は劣る。感情を殺して冷酷非情になれる人物であり、目的のためなら暗殺もいとわない。それはかつて陸軍中野学校出身者であり、中国での謀略戦に従事した経験からきている。

時震当時は陸軍参謀本部第三課勤務であり、沖縄に出張して飛行場建設をはじめとする防衛拠点整備の研究に従事していた。


小柴英二(38歳、160cm、75kg、曹長、男)

参謀本部つき課員。かつては中国戦線で歩兵として戦っていたが、足を負傷して大竹の副官として参謀本部勤務となった。足は現在普通に歩く程度なら問題ないが、全力で走るには少々支障がある程度まで回復している。

福岡県出身で17歳の時に志願して職業軍人となった。頭脳明晰で目端の利くところを上官に認められたおかげで幹部候補生となり、下士官の道を歩む。

大陸での経験から無能な上官は害悪でしかないと思っている。そのため、将校に対しても臆面なく言うべきことを言うところがある。その反面、陸軍生活が長いこともあって軍内部での処世術にも長けており、立ち回りがうまいために上官と問題を起こすことは少ない。

かつて妻と三人の子供(長男、長女、次女)がいたが、長男の死をきっかけに不仲になり離縁している。安月給から二人の娘の養育費を工面してかつての妻に送金しているのは公然の秘密である。

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