【其の拾壱】黒糖まんじゅうと紫煙の香り
新しい環境に体がついていかなかったせいかここ連日のストレスのためか、体にだるさを感じた
「あらぁ八月一日先生、どおしたんです?」
しかし、そこにあの
「いけませんよ、風邪でも。こじらせると肺炎だとかなりますから」
そう言って八月一日に注意を促したのは主任保険医の
「そうなんですよね……、で、生徒にもうつしたら悪いんで風邪薬でももらおうかなって……。」
「八月一日さん、風邪をうつさないようにする薬なんてないですよ。風邪の薬ってのは症状を抑えるだけですから」
そう言いながら橋元は薬の棚の薬箱から白衣にポケットを突っ込んだまま薬を漁り始めた。薬を取り出そうとしているよりは、箱の中を
「八月一日先生」
「ああはい?」
のんびり眺めていた状態からいきなり瑠璃川に声をかけられたので、うっかり八月一日は瑠璃川の頭を見てしまった。
「聞きましたよ。何でも、職員室で孤軍奮闘してらっしゃるとか」
笑顔になると、黒糖饅頭は餡子が溢れそうになるほどにパンパンになる。八月一日の口の中に甘味が広がり、白衣から剥き出しになっているモスグリーンのチョッキは抹茶の香りを思わせるようだった。
「そんなかっこいいものじゃありませんよ……。」
「いえいえ、いいことですよ。私たちからも応援します。ねぇ橋元先生?」
橋元は中々手探りで風邪薬を見つけられないようだった。その様子を見るだけでも、彼女が日常でいかに物事をぞんざいに済ますかがよく分かるようだった。
「ええ?そうですね……」
「私が取りましょうか?」
「主任じゃもっと無理でしょ?」
瑠璃川は、苦笑いすると八月一日に向けて肩をすくめてみた。目は笑っていなかった。
「ああ、もう。こういう時は男が気を使ってやってくれるもんじゃない?」
「橋元さん、だから私が……」
「わたしは八月一日さんに言ったんですよっ」
「そんな、病人に……」
八月一日は二人のやり取りを見て笑っていいのかどうか迷ってしまった。もしこれが慣れ親しみのうちでやっているならいいが、橋元の人格破綻でやっているのなら、瑠璃川はかなり内心穏やかではないはずだ。
「あった……。はいっ」
八月一日は、渡された紙コップの水と一緒に風邪薬を飲み込んだ。
「風邪には何よりもうがい以上に手洗いが大事です。それにマスクなんかも効果的ですよ」
瑠璃川はパソコンで何かの資料を確認しているのだろう、穏やかにそうに八月一日に話す。
「いえ、ちょっと暖かくなってきたんで油断してしまいまして……。」
八月一日がそういうと、瑠璃川はよりいっそう蒸したての饅頭のように、ほっこりとした笑顔を向けてきた。これだけ穏やかではないと、高血圧気味な橋元とやっていけないのだろうか、本当によくできている。八月一日は絵本のグリとグラを思い出した。
「八月一日さん、最近ストレスためてんじゃないですかぁ?職員会議で色々いわれたらしいし……。」
橋元はパソコンで何かのソーシャルゲームをプレイしているのだろう、ローヒールを爪先にプラプラと引っ掛け、妙に愉快そうに八月一日に話す。保険室にすら話が広まっているのか、八月一日は自分の敗戦を広々と宣伝されてるようで面倒くさい気持ちになった。あの波田の神経質な対応は何気に教育理念よりも、日々の鬱憤がたまっているのかもしれない。
「まったく、諸先輩がたの反感を買ってしまいました……」
「だぁから、いったじゃないですか?わたし戦争だって」
「また無茶苦茶な言い方を……」
橋元のものの言い方で瑠璃川のタイピングの音が止まった。
「いや、色々準備したんですけどねぇ……。一応留学の件は通ったんですが、地区大会参加の件が……。」
「いや素晴らしいことだと思います。こういう問題は別にHADでなくても……」
「八月一日さん、戦争の意味わかってらっしゃいますか?」
橋元に話を遮られ、仕方ない様子で瑠璃川が黙った。ほんの少し饅頭が萎んだようだった。
「いや、まぁ何となく……。」
「いんや、絶対わかってないなこりゃ。良いですか?戦争って言ったのは、二つの意味があるんですよ。一つはお互いが正論を振りかざしてるってこと。もう一つは勝たなきゃあお話にならないってことですよ」
「はぁ……。」
橋元は海外ドラマに出てくる、恋に仕事に大忙しの白人女性のように身振りを交えながら話す。八月一日は、あのドラマ観てません?と話の筋とは関係のないことを言いたくなった。
「言っときますけど、生徒たちにとっては八月一日さんが正々堂々と戦ったなんて何の意味も持たないんですから。たとえ姑息だろうと、生徒たちのために何かを成し遂げないと。でしょ?」
「まぁ仰る事はもっともですが……。」
「橋元さん、姑息の意味が違いますよあれは本来……」
「ありがとうございます、国語のセンセー」
保健室に薬をもらいに来たのになぜか説教まで受けて、八月一日はより一層熱が高まったように思えてきた。とりあえず、二度と保健室には来ないという決心はついた。無関心な教員、煽るばかりの保険医、孤立無援じゃないか。だがそんな八月一日に瑠璃川は「八月一日先生、ご自身がお一人だと考えるのはよくない」と言い出した。八月一日は瑠璃川を頭部ごと遠慮なく見遣る。
「私も八月一日さんの考えにはダイサンセーですよ。なるったけ協力するつもりです」
「それは、心強い……。」
八月一日は座っているパイプ椅子に前のめりになる感じで首をかしげた。無益で無害な励ましのように感じていた。
「今私ね……
橋元が得意げに言う。八月一日は驚いて彼女を見た。
「え?」
「いやさ、あのヒト、教育評論家の一面があるとかいわれてるけど、しょっちゅう胸ばかり見てんの。だからさ、ちょっと「そういう感じ」で隙を見せたら面白いように誘ってきて……」
これまで以上に橋元は愉悦を露にして身を捩りそうになりながら笑っていた。瑠璃川は呆れた様子でそんな同僚を見ていた。
「あのヒト担任でしょ?だから味方にしとけば楽じゃない?だから八月一日さんが「落としやすい」ように色々根回ししときますよ?」
危なかった、あのバストラインを強調した着こなしはトラップだったのか、八月一日の視点は瑠璃川の被り物へと重点が移った。
「いいんですか?そんなことまでしてもらって?」
「八月一日さんの為じゃありませんよ、彼らのためです。実際彼らから課外活動の要望を聞きますからね。ホントは彼らも外に出て色々やりたいんですよ……。」
橋元は話終わると、椅子に座ったまま伸びをしてストレッチをする。胸が空気を注入したように膨らんだ。すでに臨戦態勢に入っているのだろうか。
「彼らは僕には何も……」
「「先生」ってのはヒトを萎縮させますからね、生徒なんかは特に……。」
八月一日は、彼ら保険医が「先生」という言葉で呼びあわない理由が分かったような気がした。とはいえ、橋元の場合は生来のものかもしれないが。
「そうねぇ、後は個別具体的に考えていったほうがいいんじゃないですか?」
「……つまり?」
「この場合は
八月一日は「なるほど……」と、座ったままの体制で考え込みながら丸くなった。
「しかし纐纈先生の場合と違って、あまり二人っきりになる機会がないんじゃないですかね。部活にもあまり顔を出していないようですし……特にここは施設は広いくせに、人間関係はとても狭いですから……」
「この学校、煙草を吸うのはわたしと四万都さんだけなんですよねぇ」
橋元がわざとらしく思い出したように言うと、八月一日は丸めた背筋を伸ばした。
「……そこでサシで話す機会はあるということですね」
「後は八月一日さんの腕次第ですけどね」
八月一日はダルそうな顔から一転、表情に活気が戻った。力んでいるせいで症状はより悪化したが、興奮が病気を抑制していた。そうだ、何も全員を説得する必要はない。あの気だるい、停滞した空気全体を動かすより、一人一人の人間を向き合ったほうが早いではないか。八月一日は保健室に足を運んだのは正解だと思った。
「ありがとうございます。何か光明がさしました」
「それは良かった……そしてそれがあの子達の置かれている状況なんです、八月一日先生。大人たちには隔離され、クラスメイトとは牽制しあう。本当は味方すぐ近くにいるはずなのに、それが見えていない」
そう瑠璃川が言うと、八月一日は「確かに」と深く頷いた。
「何より橋元さんありがとうございます。わざわざ纐纈先生と飲みにまで行って……」
「まぁ別に、手を握るくらいはセーフですよ。そぉんなに売るくらいの春があるってわけじゃないんですから」
「まぁ確かに春というより秋真っ盛りという感じですもんね」
橋元はものすごい笑顔で「八月一日さんおもしろーい」と笑って見せた。昂ぶっていた八月一日は「いえいえ」と、本気で謙遜してみせる。
八月一日が退室した後、瑠璃川はオヤジ臭さを前面に出して「八月一日先生、橋元さんに気があるんじゃないですか?そっちの方ばかり見てましたよ」と、八月一日には見せなかった笑顔で橋元に言ったが、橋元は「そぉんなことないですよ」と軽くあしらった。そりゃ主任の頭を見ないようにしてたんですよ、とは言ってはいけないことだということが分かるぐらいには、流石の橋元も常識人だった。
建設当初には設置が予定されていなかった校舎裏の、万年日陰になっている喫煙コーナーに、喫煙しない八月一日が携帯をいじりながら四万都を待っていたが、四万都はヘビースモーカーではなかったらしく、八月一日は数回の待ち伏せをする羽目になった。
「あれ、八月一日先生、あなたタバコ吸われましたっけ?」
後一限で授業が終わろうという休み時間、下がスーツで上がジャージという出で立ちの四万都がようやく現われた。数学教師でありながら万年日焼けしたその男は近くにいるだけで性欲の強さが分かる様で、八月一日の苦手とする教員だ。また、時折出てくる彼の博多弁のイントネーションにも八月一日は苦手意識を持っていた。
「いえ、ちょっと野暮用で……。」
野暮用、とオウム返しで呟くと、四万都はポケットからガラムを取り出して吸いはじめた。三回ほど煙を吸い込んだ四万都が痺れを切らして言う。
「もしかして、私に何か御用があるのでは?」
まだ全然灰の出ていないタバコを指で叩きながら、四万都は八月一日に視線をやった。
「ええ、まぁ……。」
「……職員会議の件ですか?」
「……はい」
四万都は再度、大きく煙を吸い込んだ。
「貴方もなかなか強かですね……。会議じゃダメだから、こうして一人ずつ
「いえ、決してそういうわけでは……。ただバスケ部の顧問の四万都先生と話をしておけば、次に同じ議題を通すときに心強いかなと……」
「そういうのを篭絡っていうんですよ」
四万都は煙を吐き出しながら笑った。八月一日も苦笑して咳き込んだ。
「八月一日先生、焦り過ぎです。留学の件が通っただけでもいいじゃないですか?こういうことは時間を費やしながら検討していくもんですよ、長期的な視野で見ていかないと……。」
「仰る事はごもっともです。しかし、学校を運営するということは長期のものでも、彼らにとって学生生活は一瞬です。しかし、その一瞬が、彼らにとっては一生ものだったりするんです」
「……仰る事はごもっともですがね」
四万都は八月一日から距離をとり、校舎に背中をもたれさせ、再びタバコを吸いはじめた。八月一日は四万都が吸い終わるまで待ちたかったが、他の教員がここに来るまでに話を進めたかったので、落ち着きなく四万都のタバコの火を凝視した。
「まぁ落ち着いてください、八月一日先生。……先生は、田中山先生をご存知で?」
「僕の前任の方ですね、お噂は耳にしたことが……。」
「そうです。ちょっと心身ともに悪くなさいましてね……、しかしそういうのは普通の学校でもまぁあることです……彼女が苦しんだのは、彼らがやはりHADだったからなんです。わかりますか?」
「……なんとなく」
「この学校が設立されるときに、一応の選抜はありましたし、田中山先生もある程度のキャリアは持った方でした。しかし耐えられなかった。……我々は、生徒たちに対して圧倒的に無力です。社会的はもちろん、肉体的にね。叱責も何も彼らには通用しない。彼らは……我々のことを馬鹿にしてる……」
「そんな……」
「貴方には当てはまりませんが実際そうなんです。本来、教師と生徒の関係には子供と大人という差があって成り立つものです。知識という利点が、肉体的な利点が普通の教師にはあります。しかし我々にはそれがない。ただでさえ反抗心の強いあの年頃です。彼らには我々を教師として尊敬する要素がないんですよ……。」四万都はタバコの灰を叩いて落としながら言う。「こういうことがありました、あいつ等授業をまたっく聞こうとしないんでね、私言ったんですよ、生徒たちに。私より頭が悪いんだからせめて授業はまじめに聞けって……」
「また乱暴ですね……」
「仕方ありません。完全な学級崩壊だったんですから。……で、生徒の一人が私に言うんですよ……自分たちは先生たちより賢いとね……。」
四万都は咥えたタバコのフィルターを噛み潰した。不愉快なことを思い出したようだが、すぐに苦笑して誤魔化してみせる。
「で、勝負したんです。参考書の問題をある生徒と一斉に解いてみて……。」
「流石に数学の教員なんだから、そこは負けないでしょう」
「負けました」
四万都は無表情で即答した。
「え?」
「相手は假屋でした。彼女のHAD、知ってます?」
「いえ……。」
「彼女、時間を戻せるんですよ。多分、一旦答えを見た後、巻き戻して解きなおしたんでしょうね。正解をもう知っているから……。」
「しかしあくまで推測であって、それだけだと本当にHADを使ったかどうかは……」
「あいつ等もそう言いました。何より証拠がない。しかし、よりによって假屋が立候補して、しかも授業を全然まじめに受けないあいつが有名私立の過去問なんて解けるわけないじゃないですかっ」
四万都は半分しか吸い終ってないタバコを灰皿に投げ入れると、新しいタバコをまた取り出し、思い出を払拭するように勢いよく吸い出した。
「プライドはズタボロですよ八月一日先生?正直ムカつきました。で、そのムカついてたのはいいんですが、そんな私を……
八月一日は何もいえなかった。大の大人が、高々14歳の少年少女にプライドを打ち砕かれるというのは、経験をしたことこそはないが、恐らく耐え難い苦痛を伴うものなのだということは容易に理解できた。
「八月一日先生、学校というのは、教育というのは一種の暴力です。子供と大人、対等ではない立場の人間が集まって、片方が片方に一方的な価値観を植え付ていく。その機能が果たされていないこの学校は……学校じゃありません。それは我々も、ここの生徒たちだって知ってますよ。八月一日先生、貴方がここに召喚された理由、分かりませんか?貴方が求められてるもの、それはここにその暴力を呼び戻すことです。……以前居られた所と同じようにね」
話が終わると、四万都は鈍色に雲のかかった空を見上げながら、空に向かって煙を吐いた。体にニコチンが周るのを感じながら、感情を抑えようとしているようだった。
「僕は……彼にも何らかの可能性があったんじゃないかと今でも思ってます……。」
八月一日の言う彼が、どれほど重要な意味を持つかは、名前を挙げなくても予想がついた。四万都は八月一日の前歴を知っていたが、その詳しい内容を知るまでには至っていない。タバコを咥えようとしていた四万都の手が虚空で止まった。
「彼も、あの子達だって、ほんの些細なきっかけがあれば、普通の中学生として、勉強に、部活動に精を出すような子供たちだったんです。でも僕は彼を救えなかった……。またあんな思いをするのは嫌なんです。今度は、教師として、大人として、彼らを救いたいんです……。たとえそれが貴方の言う暴力であっても」
大量殺戮の犯人として日本史に名を残すのではないかというあの男を、まるで普通の人間を思うように話している。この男は青臭いのではない、自分とはあまりにも違う世界から来たのだ。四万都は安易な反論ができなくなった。
「……貴方が見えてる彼らと、私たちが見えている彼らがまったく別物だとは理解できます。私も……貴方と同じ立場ならそういうことを考えたかもしれません……。しかしね、そうじゃないんです。我々の前にある現実はそうなってはいないんです。受け入れましょうよ、八月一日先生。私だって彼らを不幸にしたいわけじゃない。ただ最悪の不幸にならないよう努める他ないんです」
四万都が止まっていた手を動かして、タバコを再度口にかませた。
「僕はまだ打ちひしがれてはいません。四万都先生、お願いします。僕だけが負ければいいじゃありませんか。敗北どころか試合すらしていないのに、このまま終わるなんてできませんよ」
四万都はタバコを咥えたまま八月一日を凝視した。四万都の顔を走る、一筋の傷跡から目を背けたかったが、八月一日も負けじと四万都を見返す。
「分かりました。ただ……私一人を丸め込んだところで、事態はまだ好転していませんからね」
「丸め込むだなんて……でもありがとうございます。もう一度、校長先生のところに掛け合ってみますね」
「そうだ、八月一日先生。今日うちによっていきませんか?地区大の交渉をなさるのも結構ですが、彼らが試合をできるくらいにまともにゲームができるかどうかも見てもらわないと」
「そうですね、今日は生徒の補習があるんで、それが終わったら……じゃあ」
八月一日は深々と頭を下げ、そのまま早歩きで喫煙コーナーを後にした。
四万都は八月一日が去ったのを確認すると、タバコを口で維持したまま八月一日が去った反対側の角に向けて話しかける。
「盗み聞きってのはいい趣味じゃあありませんな」
「あら、人聞きが悪いじゃありませんか。お二人に割って入ると野暮かと思ったんですよ」
角から現われたのは橋元だった。そのまま灰皿まで歩むと、橋元は白衣からピアニッシモを取り出す。
「……医者の不養生ですな」
「医者じゃありませんし」
橋元は愉快そうにタバコを吸う。
「………いいんじゃないんですか?八月一日先生や生徒たちのやりたいようにやらせてやれば?ヒット&ランですよ」
「トライ&エラーですねこの場合は……」
「ありがとうございます、英語のセンセー」
「……しかしね橋元さん、それで傷つく人間もいるかもしれないんですよ?」
「傷なんて、時間が経てば治りますよ」
「そんな無責任な……」
「年寄りは神経質すぎるんですよ……、若い人を信用してない証拠です」
「……私はまだ四十ですよ」
橋元は「ごめんなさぁい」と嫌みったらしく笑った。
「じゃあお若い四万都先生?人はね、かならず回復するんです……」
橋元はモルタルの床を這う蟻の行列を眺めながらひと呼吸おいた。
「……例えどんなところに生まれついても、どんな傷を負ったとしても回復するんです、そう信じないと。そうじゃないなら、それは教育の、社会の負けですよ」
「……貴方、彼に入れ知恵しました?」
四万都は、職員室での青臭さとは違って裏道を使った八月一日の変化と、都合よくこの場に現われた橋元を偶然の引き合わせだと思わなかった。
「まぁさか。訝しがり過ぎですよっ」
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