　過能力障害（かのうりょくしょうがい、英：hyper ability disorder、ＨＡＤ）は、現段階では科学的に説明が不可能な過剰な身体能力や知覚、また発生源の不明なエネルギーの放出を特徴とする行動障害である。過能力スペクトラムを発現したと診断され、さらにそれが正常な生活に影響を及ぼす場合や、社会的に大きな影響を及ぼしかねない場合にこれを診断される。行動障害の段階でＨＡＤとされるが、過能力スペクトラムと行動障害を総称してＨＡＤと呼ぶのが一般的になっている。

過能力スペクトラム

　過能力スペクトラムは上記のように、過剰な身体能力や知覚、エネルギーの放出をする症状の事を指すが、その内容は症状の大きさや種類と多岐に渡り、専門家からは一部は過能力スペクトラムに該当しないケースもあるという指摘もある。しかし、精神的に多感な時期である十代の前半に発現する事が多く、二十代の前半には安定を迎える事が殆どであるということ、遺伝子や血液、脳の形状にＨＡＤの人間と一般人のそれに違いは確認されていないという共通点から、これらをまとめて過能力スペクトラムとしている。

原因と治療

　上記のように、発現は精神的な要因とされ、治療に関しては精神医学によるものが主である。薬物治療の試みもなされているが、あくまで精神的に働きかけ過能力の作用を鈍らせているだけで、根本的な治療にはなっていない。

地域と男女比

　ＨＡＤとして診断される多くは先進国である。途上国の場合、診断基準が浸透していないという事もあるが、過能力スペクトラムとして確認されること自体が稀であることから、先進国特有の病気であると考えられている。男女比としては１：４の割合で女性の方が多いとされるが、過能力スペクトラムの発現そのものに加えて、ＨＡＤの基準の一つである「正常な生活に影響を及ぼす場合」が、心理的な意味も含むことが理由の一つである。