第86☆シナリオを書く上での第一条件と映画の描写のための六つの方法

 シナリオの良いところは、読者の教養や経験や想像力の貧富に左右されないことです。

 映画の表現とは、抽象表現や文芸表現と全く違います。

 心理描写一つとっても小説とは別の表現になります。


 ☆小説の場合(作者のイメージ→ 原稿用紙の文字【活字】→ 読者のイメージ)


 ☆シナリオの場合(シナリオ作家のイメージ→ 原稿用紙の文字→ フィルム【ここでは観客の想像は許されない。美しいものも汚いものもそのまま見せます】→ 観客)


 *シナリオライターは、原稿用紙に書きはしますが、レンズの眼でフィルムに描くつもりで書くことが要請されるのです。つまり、常に具体的であることが求められます。


 シナリオを書く上で必要条件は三つあります。


 まず場面描写。つぎに人物描写。最後にストーリーの伝達。

 これらが的確に書けることです。



 では映画の描写六つの方法についてにうつります。

 1、ナレーション法(N、と書きます)

 画面外からの声で、当人でも解説者でもいい。


 2、タイトル法

 画面の映っている下あたりにタイトル文字を出す。


 3、パントマイム法

 演技者のしぐさで表現。


 4、セリフ法

 すぐわかる。しかし「セリフは嘘をつく」といってなかなか信用置けません。

「勘違いしないでよね!」と言いながら彼女はあなたを慕っているかもしれないのです。


 5、モンタージュ法

 二つ以上の画面をうまくつなぎ合わせて、ひとつの描写とする方法。


 6、意識描写法

 モンタージュ法の一種で、人物の思い浮かべていることを画面上に二重焼にして映す方法。


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