第85☆シナリオから学ぶ起承転結

 わたくし、これは八つにわけた階段、と習いました。


 紙を縦に一つ、横に四つに折るんですね。そして、番号を入れていく。


 ①は当然起承転結の起。⑦が転でクライマックス。⑧が結でラストシーン。そのほかは承(五つあると思います。それで正しいです)


 ①はファーストシーン。魅力的に始めます。

 ポイント1、魅力的なキャラを出す。(主人公の次くらい。つまりサブキャラ)

 ポイント2、観客が見たい場所を出す。(有名な場所)

 ポイント3、謎を追求するのをやめない。(読者になんだろうと思わせ続ける)

 ポイント4、活気あるシーンで始めること。(キャラの動きに勢いを出すとグッといい)


 さらに大事なのは、お客さんが求めるシーンから書く、ということ。

 型は二つあります。

 1、張り手型。<アバンタイトル>

 強引型で、アクション・時代物に用います。ドライタッチで「なんだこれ!」と思わせるファーストシーン。毒消しにあと説といって、「実は……」という説明が後から必要になります。

 2、撫ぜ型。

 おとなしい出方のムードタッチです。ホームドラマ・メロドラマに使います。迫力がないのが欠点なので毒消しとして起承を同時に始めます。

 始まったときから人物紹介と時代背景、場所がうまく説明できればOKです。




 五つある承は展開部といって、作品の比率としては80%~90%を占めるものです。


 人間同じ姿勢は十一分しか保てないものらしいので、十分に一回、遊びや見せ場を持ってきます。きれいな景色なりアトラクションなりですね。またバトルシーンなりラブシーンがここにぶっこまれます。


 おもしろさを決定するものは五つあります。

 キャラの魅力で決定するものは、「第6☆魅力的なキャラ」で示した通りです。


 他。


 A、事件(例外アリ)

(火事・殺人・傷害・盗難・事故・死亡・病気・失業・天災・戦争)

 例外は突然の受賞。(事件続きで嫌なイメージを持たれそうなとき)


 B、事情(第6☆魅力的なキャラ、で作ったものを使うといいです)

 事件性のもの(今の上司との喧嘩・家族関係・社会的な人物関係・誕生日・結婚記念日・卒業式)

 感情的なもの(誤解・三角関係・嫉妬)

 *要するに隠し事です。


 C、秘密性(喜劇・悲劇・シリアスドラマ・社会劇・メロドラマ)

 二つ。

 <観客にも知らされない秘密>

 <登場人物だけが知らされない秘密>


 D、伏線(一つの状況を起こすとき、あらかじめある程度の知識を読者に与えておく)

 例:病気になる← それ以前に「雨に打たれて一晩中探し回っていた」と書く。

 結核になる← 「以前からちょっと咳をしていた」と書く。


 E、ハプニング(伏線しかずに突然あったほうが効果的なもの)




 クライマックスについて(転部)


 テーマを「感じさせる」こと。これがうまくいくと読者は「無言」になる。

 説明的要素は知性に訴えるので適当ではない。置くなら承の前に置こう。

 *よせ玉(玉突き用語)

 テーマを表すためにキャラクターは承で奔放に動きながらも、ゴールへ向かって(同一のテーマに沿って)配置されていく。




 ラストシーンは未解決!?(結部)

 余韻が大切。

 単なる静かなものばかりでもない。


 例:『望郷』(ペペル・モコ)


「ギャビィ!」

 自らの身の危険も顧みず女を追う男が何度も叫ぶ。しかし叫びは汽笛でかき消されてしまう。女は船で去り、男の手には冷たい手錠。


 例2:『真昼の暗黒』(橋本忍/脚本)


 無罪を信じる主人公が、鉄格子につかまりながら

「最高裁が残ってるぞ!」と叫ぶ。


 *TVの連続ドラマ(13話1クール)はラストシーンの機能を「期待」に変えることを考えるべき。



 さらっと流しました。わたくし自身が勉強中なので、本当におぼえがきなのです。

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