第81☆重版かかったら一も二もなく

 自費出版、というものがある。わたくしはそこから流通に乗せてもらい、9割以上の販売実績をもつことになった。

 しかし印税も入らないし、重版もお声がかからない。これでは売れた気がしないし、疑問が残る。

 で、母に相談してみた。

「重版してさしあげてもいいですよ? って言い方がイヤらしかったからお断りしておいたわ」

 という話であった。どうして著者に無断で重版をことわるのか。今の今まで聞いたことがなく、腹が立ったが、問いただしてみると、

「あそこは(出版社)いい噂を聞かないし、なにかのついでみたいに言ってきたし」

と、いう。

 どういうことかというと、単に「イヤ~な感じ」がしたという話である。

 印税も「ちょっとしか入らなかったわ」というから、「入っているのを確認したのか?」と確認したら「記憶にございません」と……。「当時の通帳が古すぎで捨てちゃったから、印税が入っていても確認のしようがないわ」と。

 いや、どうしてわたくしの印税が母の懐に入る話になっているのか? とってもいい加減すぎる。


 重版、印税は作家の命でもある。出版社からの電話を人任せにしてはいけない。マネジャー気取りの親にも注意されたい。あなたをだましているかもしれないからである。


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