第60☆確定申告で着飾らない、気取らない
プロになってからのお話。
お役所へ向かうときは、高い車に乗らない、高いメガネをかけない。高い時計をつけない。ブランドの洋服や靴を身につけない。指輪? ネックレス? 宝石? とんでもない!
さらに。
確定申告に行くときは、一週間前からお風呂に入らない。最低三日はひげ処理をしない。顔を洗わない。髪を洗わない。いいにおいの柔軟剤や洗剤、香水のにおいをさせない。
なぜかというと。
「金持ってんなら出せや! コラ」
という目で見られてしまうからである。
「お仕事儲かってないんですね、大変ですね……」
というまなざしに
「そそーなんです、とほほ……」
と小説家は答えねばならない。
それでなくても不安定なんだからね!
上記のようなことは、耐えられる人だけ耐えてください。どのみち作家は貧乏なものなんですから。大御所と呼ばれでもしない限り、まともに清潔感あふれる生活臭をさせているほうが不自然なのです。
「作家って、あなた、食えてないんでしょ?」
というまなざしに、
「ははい、無名でいつも新人さん? って聞かれます。デビューしてから*年もたつのに……」
と返さねばならないのです。
いやなら作家以外の儲かるお仕事をして、税金を払っているぞとアピールしてください。どうぞ。
でもそんなことをすると、いろいろ経済面でも生活面でも苦労しますよ?
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