創作のためのおぼえがき

第9☆逆プロットを書け！

　これは学校の先生が掲げた特訓法です。

　逆プロットとは、他者の作品を分析することによって、どんなプロットから作品がつくられたのかを研究し、その作品からプロットを逆に書き起こす、ということです。

　目的はスムーズに作品意図とその良さを伝えられる、よいプロットをつくる、ひいては他者の作品に通じることのできる眼力を磨くことです。

　まずは……そうですね。

　お好きな作品を分析してみましょう。

　こないだTV放送で劇場版コナンを見たから、それでいこうかな。

　よし。テーマは「愛と戦慄の謎解き」コンセプトは「爆弾魔からヒロインと共に人々を救うヒーロー」狙いは「視聴者をハラハラドキドキさせる」

　だから……。

「このお話は愛と戦慄の謎解きで、爆弾魔からヒロインとともに人々を救うヒーローの、視聴者をハラハラドキドキさせる物語です」

　はい、一時間以上の物語が、二行に収まりました。

　この調子でいきましょう。

　劇場版セーラームーンはというと……。

　テーマは「人々を救う愛の奇跡」コンセプトは「ヒロインの可憐なまでのやさしさ」狙いは「視聴者を涙させ、胸をしめつけるような感動に誘う」

　だから……。

「このお話は人々を救う愛の奇跡で、ヒロインの可憐なまでのやさしさを描き、視聴者を涙させ、胸をしめつけるような感動に誘う物語です」

　なんだかおもしろくなってきてしまったから、聖闘士星矢・序奏～overtuer～オーバーチュアーも書いていっていいかな。

　テーマは「人間のすばらしさと誰かを想う気持ちや信じることの大切さ、強さを称える人間賛歌」コンセプトは「ずたずたになったヒーローがそれでも愛のために戦う」で、狙いは「うつくしい世界と神にさえ挑む勇壮さに息をのませる感動物語」

　だから……。

「このお話は、人間のすばらしさと誰かを想う気持ちや信じることの大切さ、強さを称える人間賛歌で、ずたずたになったヒーローがそれでも愛のために戦う姿を描くことで、うつくしい世界と神にさえ挑む勇壮さに息をのませる感動物語です」

　(笑)エコヒイキがにじみ出てます。思い入れがあるあまりこのように行数がオーバーしても、削れないと思ったら、それでいいです。

　あなたが作品から何を受け取ったか、それが肝心です。

　タイトルの下にキャッチコピーのようにつける、いわば作品のとっかかりの部分ですから。

　面白そうだな、これなら時間を割いても読んでいいかな、と思わせてください。

　で、登場人物、そしてあらすじを書く、と。

　あらすじは人それぞれの書き方があります。特にわたくしは苦手なのでここではパスします。長くなるので。

　できあがったら、執筆に携わる人でなくてもいいので、できるだけ多くの人に読んでもらいましょう。どういう反応でしょうか？

　一般の人はプロット自体、目にする機会がないので、反応はいろいろだと思いますが、書けば書くほど腕前は上がりますから、どんどん書いてくださいね。

※プロットとはなんぞ？　という方は第4☆の「プロットを立てよう」をどうぞ。

　プロットとは簡単に言えば物語の設計図で、企画段階で編集さんに見せるものです。これがOKでないと、作品に着手できません。

（あくまでプロの話）