第8☆これさえ憶えれば順風満帆!?
デビューするのには、60万以上の賞金を得て認められねばならない。
ところがコツコツ書いて、出版社に送ってもなしのつぶて。
どうして!?
ほかの人も頑張っているから。
そう思って、投稿してから一か月以内に連絡がなかったら、さっさと次の作品にとりかかるとよい。
気分を変える効果もある。
悶々としないでいいのです。
それに、見込みのある投稿ほど、出してすぐどうでもよくなる。
忘れたころに、雑誌に載ってたりするかも……。
すぐに次の作品にとりかかれないときなどは、少しこれからのお話にお付き合いくださればなと思います。
梗概(こうがい)ってご存知でしょうか? あらすじのことです。
しかしこの梗概がうまいかどうかで、選考員に与える印象が違います。
梗概のうまいひとはデビューしますが、へたくそなひとはずっと陽の目を見ません。
別に選考員が梗概だけを見て判断しているわけではなく、梗概も作品と思って気を抜いてはいけないのです。
それではどんな梗概がいいのでしょうか?
まず、読みやすく。
次に、四百字詰めならその書式で規定枚数内にきれいにまとめる。
字数がオーバーしそうなときは、体言止めを多用するなどのテクニックもあります。
そして、肝心なのは……。
梗概は本文よりも面白く書く!
ということです。
ここでなにもかもが違ってくるのです。
百枚書く人が三十枚の作品を書いたとき、三十枚の中にその人の本当の実力が表れる、と言います。
ですから、三百枚の作品の梗概二、三枚には、あなた自身がどのように書いてきたかが表れているのです。
タイトルが顔なら、梗概はスタイル。伏線や隠しネタまであまさず書きましょう!
書かねばならないのは以下!
1、起承転結の流れで筋をきちんと書く。
2、本編に書かれていないことを書かない。
3、本編では小さく扱った出来事を大きく扱わない。
4、本編では大きく扱った出来事を書き洩らさない。
5、「著者渾身の一冊」のような、筋でないことは書かない。
6、公募の場合は(特にミステリーの場合)トリックや真犯人まで書かなくてよい。(流れがわかればよい)
なぜこんなに大切なのでしょうか?
それは藤咲あゆな先生の通信教育のテキストにあります。
『数十年前までは、下読みの方は送られてきた作品の中から良いと思われるものだけを返送し、ボツにしたものは自分で処分していました。ですので、冒頭部分だけを読んでボツにすることもありました。
しかし、最近では、すべて読んだうえで当落を判断すべきという批判と、個人情報保護法の絡みもあって、ほぼすべての新人賞で全文を読むことが義務づけられています。また、送られてきた作品はすべて編集部に返送されます。
とはいえ、あらすじを読んだ段階でトーンダウンしてしまうと、本編を読む気もそがれてしまうでしょうから、おろそかにはできません。』
と、いうことなのです。(ちなみに十年以上前のテキストです)
梗概はデビューに必須ですが、デビューした後には必要ありません。
編集さんにプロットを見てもらうことになります。
※プロットってなんぞ? という方は第4☆の「プロットを立てよう」で大まかに説明しております。簡単に言うと物語の設計図です。
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