第63話:「まささんたち、サーキットに着く」の巻
(ねねさんを乗せたまささんのインプレッサが目的地であるサーキットに到着したのは。まだ午前八時になったばかりのころでした)
「うは。みんなもう来てる。早起きしてるな~」
「(すぴ~)」
「ねねさん、着きましたよ。起きてください」
「う~ん。ごめんなさい、まささん。もう少し寝かせてください(すぴ~)」
「あらら(心の声:これだから酔っ払いは)」
まささんがパドックにクルマを入れると、たちまち野次馬陣がやってきます。
「おッ! 連れてきましたね、例のコリアンガール」
そういって先鋒を気取っているのは、某地元アイドルグループに所属する娘を持つ、ベテラン走り屋のつよぽん氏でした。
「約束ですからね。連れてきましたよ」
「もうやってきたんですか?」
「下品なひとですね。それでも年頃の娘の父親ですか?」
「性欲忘れたら、それは男じゃないですよ。大事なことじゃないですか!」
「その割に、ジムカーナ練習会に連れてきた(当時JCの)娘さんをボクに会わせないようしてましたね」
「何をあたりまえなことを。父親として当然の義務です。大事な娘を、なんで野獣の前に差し出さなきゃならないんですか!」
「ひどいッ! ボクのどこが野獣ですか?」
「全部です。もしかして自覚なかったんですか? 修行が足りませんね」
「もうなんとでも言ってください」
そんな騒ぎもなんのその。まささんインプの助手席でぐーすかぴーし続けてるねねさんなのでありました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます