第17話:「ねねさん、際どい発言をする」の巻

(ふたりでお寿司を食べながら、まささんとねねさんは、いろいろお話をするのでありました)


「このお店、妹と甥っ子が日本来た時、一緒に入たお寿司屋なんです」


「ヘェ、妹さんがいたんですか」


「いたんですよ~。でね、甥っ子が小学生の低学年なんですけど、ウチではTVゲームばっかりしてるし、食べ物の好き嫌いは激しいし、お菓子ばっかり食べてて困ってたんです。あー、おにさん、生中追加!」


「はいはい」


「で、ですね。ここでお寿司食べた時も、その子、決まったものばかり食べるです。妹がとても甘やかしてるんで、代わりにわたしが叱ったですよ。いろんなもの食べないと駄目よ、て」


「そりゃいいことですね。子供は大人が叱らないと、自分勝手に成長しちゃいますから、犬とかと同じで、すぐに自分が王さまだと誤解する。それって、大きくなってからだと通用しないことだから、小さいうちに矯正しとかないと」


「ですよね~。わたしも甥っ子かわいいですから、きっちりと叱ってあげるんです」


「なるほど。いいお母さんになれますよ。偏見かもしれないけど、最近は『いいお母さん』になれない、なろうとしない女の人が多くなってきてるんで、そういう古風な考え持ったひとは、本当に貴重な存在だと思いますよ」


「日本人もそういう女の人増えてるんですか?」


「増えてますねェ。子供甘やかして、学校とか職場とかに突撃するお母さんたちが。こっちでは『モンスター』って言われてるんですけど、そんなのって、結局かわいがりでもなんでもないんですよね。ペットでも飼ってるつもりなんでしょうか」


「まささん……なんか偉いです」


「?」


「そーいう考えの男のひと、わたしそんけーします」


「いやふつーの考えでしょ?」


「まささん、子供好きですか?」


「どーでしょ? 自分の子供ならアレですが、あまり好きとは言えないかも」


「じゃ、好きになてください。わたし、初めは女の子が欲しいです」


「?」


「まささん。今日これからまだ時間ありますよね」


「まあ、このあとの予定は入れてませんが」


「じゃ、ここ終わたら、まささん、わたしとえちしましょ!」


「……はい?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る