　嗚呼、もうお仕舞いだ！　体制が、文明が、一気に転覆しようとしている！　そう叫んだのは彼らであったか、我らであったか。

　私は寝付けぬままに外へ飛び出し、そこかしこで起こる虐殺の火を目の当たりにした。街路を浸す血の底流（Undercurrent）に見るものは絶望であった。勝利のキス（VJ Day）を交わす恋人たち。輝かしい夜（Kristallnacht）の果てに待つものは漆黒の朝焼けであろう。

　国王夫妻が断罪（Rolling Heads）された、戒厳令が出された、そんなことを口々に叫ぶ緑の制服の若者たち。暗闇の中に光る瞳の新鮮さ（Avant-garde）。その視線の一つに射抜かれた私はまるで羊（Sheep）のよう。追いすがる手を振り払って私は駆ける、駆ける、駆ける！　アハハ、私は笑う。私はいつしか狂気（Dark Side）に駆られてしまって、支給服（Mode）を脱ぎ捨てていった。重い道化（Clown）の冠（Crown）は爆ぜてしまったのだ、もう誰が私を縛り付けるというのだろう！