008.身体が違うだけ

 夜を追い抜いて素敵な朝日を見に行こうよ。あの岬に昇る朝日を。

 彼はそんなセリフで私を口説いたのです。私はそんな彼と素敵な恋に落ちたのです。

 彼とは性別が違うだけ。心が違うだけ。身体が違うだけ。何もかもが違うけれどその他はほとんど同じなのです。

 まるでパステルカラーの恋をしているみたい。爽やかな恋。とても爽やかな恋。でもそれって矛盾しているのかもしれない。恋ってどうしても爽やかじゃいられないから。

 二階から落としたトマトのように拡がった恋心は私をきっと変えてしまう。それが恋だから。きっとそれが恋だから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る